第十二幕その五
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それで幸村さんにお肉やお酒をどんどん差し出します。
「ささ殿どうぞ」
「お召し上がり下さい」
「お飲み下さい」
「何でも申して下さい」
「是非させて頂きます」
「いつも済まない」
幸村さんは十勇士に笑顔で応えます、そうしてです。
十勇士の人達と一緒に楽しみます、恵梨香はその光景を見て言いました。
「十勇士の人達って本当に幸村さんを慕っているのね」
「ずっとああなんだよね」
「ええ、十勇士といえばね」
木挽きの馬に答えます。
「もう幸村さんと一緒にずっとね」
「生きてきたんだね」
「そうした人達なのよ、けれどね」
「けれど?」
「こうして実際に見てみると」
幸村さんと十勇士の人達をです。
「凄いものがあるわね」
「十勇士の人達が幸村さんをこれだけ慕っているってことがわかってだね」
「ええ、そう思ったわ」
「そうなんだね」
「これはね」
恵梨香はさらに言いました。
「本物の絆ね」
「そうだね」
「十勇士の者達はそれがしが生まれるずっと前から父上と一緒にいまして」
大助さんも言ってきました。
「それで、です」
「ああしたですか」
「絆を持っています、そしてそれがしにもです」
大助さんは恵梨香にお話しました。
「あの者達はいつも忠義を尽してくれます」
「大助さんにもですか」
「オズの国でもそうしてくれています」
「そうなんですね」
「そして父上との絆は」
それはといいますと。
「あの通りです」
「絶対のものがあるんですね」
「主従であり」
そしてというのです。
「義兄弟であり友でありますから」
「三重の絆ですね」
「そしてそれがしとも主従であり」
大助さんにもというのです。
「義理の親達であり友である」
「そうした関係ですか」
「はい」
まさにというのです。
「我等の関係は」
「大助さんとも絆は強いんですね」
「そうです」
実際にというのです。
「何かとよくしてもらっています」
「物凄く忠誠心の強い人達なんですね」
「あれ以上の忠義者達はいないかと、それに」
「それに?」
「困っている者がいれば決して見捨てず」
「助けるんですね」
「十人全員が」
そうするというのです。
「あの者達は」
「そうですか」
「ですから」
それでというのです。
「あの者達は尚更です」
「いい人達ですか」
「曲がったことは決してせず義を忘れない」
「そうした人達ですか」
「左様です」
まさにというのです。
「あの者達は」
「だからヒーローなんですね」
「そうですね、右大臣様もお救いしましたし」
「間一髪だったんですね」
「本当に危ないところでしたが」
それでもというのです。
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