第七話 洋館の中でその二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「朝に朝顔を見るのってね。ううん」
「ううんって?」
「何時でもね。お花や草や木、皆を見るのってね」
そのこと自体がだというのだ。
「凄くいいことだよ」
「そうなんだね」
「もっともっとね」
どうするかというのはもう決まっていた。
「見るといいよ」
「草木って見ているだけでいいんだね」
「そうだから。もっと見てね」
「うん、じゃあね」
「それにしても希望って朝顔が好きだったんだ」
「他のお花も好きだよ」
希望は目を細めさせて答える。
「ここにはないけれど向日葵もね」
「あのお花も好きなの」
「暑い時にお日様みたいに咲いてるじゃない」
「頭のずっとずっと高いところで」
「それがいいんだ。見ているだけでお日様に照らされてるみたいで」
「だから向日葵達も大好きなんだ」
「今度さ。向日葵見に行かない?」
自然とこう言う希望だった。
「今度ね」
「そうだね。じゃあ今度行く場所は」
「向日葵が一杯ある場所っていうと」
「植物園がいいよ」
そこだとだ。千春もまた目を細めさせて言う。
「あそこがね」
「そうだね。あそこなら他にも一杯お花があるし」
「草木の皆もね」
「だからいいんだね」
「うん。じゃあ今度のデートの場所は」
千春は自分から言う。
「植物園ね」
「そこにしようね」
「あそこも大好きなの」
植物園もだとだ。千春は答える。
「ここにいるみたいだから」
「お家に?」
「そう。だからなの」
「植物園も好きなんだ」
「緑があってね」
まずはそれだった。緑だった。
「赤や青、白のお花があって」
「そして向日葵の」
「黄色。オレンジかな」
向日葵の色は言い換えた。黄色というよりはオレンジだというのだ。
「その色も好きだよ」
「色ね。色っていいよね」
「色はね。草木から出るんだよ」
「草木から?」
「それにお花からね」
「そうなんだ」
「そう。自然から出るものだから」
草木、そして花も自然の一部だからこそ。それでだというのだ。
「出るものなんだ」
「色は草木から出るんだ。そしてお花からも」
「じゃあ黒や白の草木は想像できる?」
「あっ、それはちょっと」
「冬の。枯れた草とかはともかくとして」
「うん、考えられないね」
「そういうこと。色は空や海からも出るけれど」
そういったものからだけではないというのだ。それは。
「草木やお花からも出るから」
「だから色はなんだ」
「うん、そうだよ。だからね」
千春は笑顔で話していく。
「いいの。それじゃあね」
「今度は向日葵を見て」
「その
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ