第121話
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倖だし……その………考えようによってはそっちの方が戦後のリィン君達に接触しやすいから、アリサちゃんの場合はクロスベルに帰属する方が”色々な意味”でいいと思うよ。」
「え……それってどういうことですか?オリヴァルト殿下の話ですと、クロスベル帝国の上層部を紹介するという話ですから、メンフィル帝国の関係者のリィン達は無理だと思うのですが……」
オリヴァルト皇子の話を聞いたアッシュは鼻を鳴らして厳しい表情を浮かべ、静かな表情で呟いたトワの話が気になったアリサは不思議そうな表情で指摘した。
「メンフィル帝国はクロスベル帝国と”連合”を組んでいる――――――つまり、”同盟関係”である事で当然互いの関係も良好だろうから、同盟国の正妃の頼みとあらばメンフィル帝国も自分達の国で大出世したリィン君もそうだがエリゼ君と会える手配もしてくれるんじゃないかい?」
「あ………………その………帰属の件に関しては家族と話し合って考えた上で決めます。」
「ああ、君達の”未来”の為にも私達に遠慮せずに考えて欲しい。エルミナ皇妃もすぐには答えを求めるつもりはないと言っていたから、少なくても今回の戦争が終結して、戦後のラインフォルトグループやクロスベルの状況が落ち着くまでは待ってくれると思うよ。」
「それと現在ラインフォルトグループの本社ビルは連合の監視下には置かれていますが、アリサさん達の訪問は制限していないとの事なので、身分証明書を提示すれば本社ビルに入れてくれるとの事です。」
「かしこまりましたわ。」
トワの代わりに答えたアンゼリカの説明を聞いたアリサは呆けた声を出した後複雑そうな表情で答え、アリサの答えにオリヴァルト皇子は頷いて助言し、セドリックは説明を補足し、セドリックの説明にシャロンは頷いた。
「――――――それで?昨日のアンタの加勢の時からずっと気になっていたけど、アンタは一体どんな心境の変化があって結社から離れてあのタイミングでかけつけて、あたし達の加勢をしたのかしら?」
「サ、サラ教官。そういう事はシャロンさんが自分から切り出してくれるまで待てばいいじゃないですか。」
真剣な表情でシャロンを見つめて説明を要求するサラの様子を見たマキアスはシャロンに視線を向けた後気まずそうな表情を浮かべて指摘した。
「ふふっ、お気遣いありがとうございます、マキアス様。元々聞かれたら答えるつもりでしたから、どうかお気になさらないでください。」
「シャロン………」
「……それで私達が黒の工房の本拠地で皇太子殿下とミリアム君を奪還してから、何があって結社から離れる事を決めたんですか?」
苦笑しながら答えたシャロンの様子をアリサが心配そうな表情で見守っている中アンゼリカは真剣な表情で続きを促した――――――
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