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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第121話
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で答えるとアリサは複雑そうな表情で黙り込んでいた。



「えとえと……今の話を聞いて気になったのですけど、ギルドはメンフィル・クロスベル連合に対して交渉等はできないんでしょうか?”ラインフォルト家”は”民間人”の枠に入りますから、遊撃士協会の案件だと思うんですが……」

「う、うーん……規約にある保護義務の対象はあくまで”民間人自身”であって、”民間人の財産”は”規約”に含まれていないから詐欺や恐喝等と言った犯罪行為が起こらなければ正直介入はできないんだよね〜。」

「おまけにその件は両帝国の政府が関わっている事で当然”国家権力”も間違いなく関係しているでしょうから、規約の一つである『国家権力に対する不干渉』に該当する事で例え依頼されたとしても請ける事も厳しいと思うわ。」

「ただでさえ、トヴァルがユミルの件をやらかしたこともあるからな………しかも、権力で相場と比べても明らかに安い金額で強制的に売却させられるならともかく、”相場の2倍の金額の売却”だと”正当な取引”として成り立つから、遊撃士(おれたち)が割って入る余地はねぇんだよ。」

「それらの件を考えるとラインフォルトグループの株の件もそうだけど連合がラインフォルトグループの各工場にあった兵器や武装を”徴収”じゃなく、”購入”したのは遊撃士協会の介入を防ぐ為であるかもしれないわね。」

ティータの質問にアネラスは困った表情で答え、シェラザードとアガットは疲れた表情で答え、サラは苦々しげな表情を浮かべた。



「話を戻すが、ラインフォルト家がクロスベルに帰属するのであれば、住居スペースを売却する必要はないし、イリーナ会長の立場を奪うような事はしない上、アリサ君やシャロン君もラインフォルトグループに限らずクロスベル帝国の領土内で何らかの仕事に就職するのであれば優遇するし、アリサ君達が望むのであればクロスベル帝国の有力者達――――――軍や政府、警察の上層部もそうだが、ユーディット嬢のようにクロスベルに帰属する事を決めた元エレボニアの貴族等との面会や取引等の仲介もすると言っていたよ。それとラインフォルト家のクロスベルに帰属の有無に関わらず、シャロン君が今後”紅き(わたしたち)”側として活動するのであれば連合の”抹殺対象”からシャロン君を外す事は確約するとの事だ。」

「ハッ、あからさまにわかりやすい”餌”じゃねぇか。」

「でも、その気になれば結社の”執行者”としてオズボーン宰相達に協力していた事で連合に”抹殺対象”として狙われていたシャロンさんを対象から外す代わりにアリサちゃん達がクロスベル帝国に帰属するように促す事もできたのに、それをせずにシャロンさんを”抹殺対象”から外す事をクロスベル帝国の皇帝の”正妃”の一人のエルミナ皇妃が”確約”してくれたことは僥
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