第121話
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〜カレイジャス・ブリッジ〜
「セ、セリーヌ!?どうしてそんなことを言うの……!?」
複雑そうな表情で呟いたセリーヌの意見を聞いたその場にいる全員が血相を変えている中エマは信じられない表情で訊ねた。
「エリゼの心に言葉が届く人物が今のアタシ達の中にはいないのだから、どれだけアタシ達が言葉を重ねても無駄だと思うのよ。」
「”エリゼの心に言葉が届く人物”というと……」
「リィンにエリス、後はもしかしたらセレーネもそうかもしれないね。」
「ちょっ、全員今は僕達の中にいない所か、エリゼさん側―――――メンフィル側の人物ばかりだから、エリゼ君の心に届く人物達を通して僕達の言葉を届ける事が最初からできないじゃないか……!」
「まあ、あの場にはアーちゃん達もいたから、ひょっとしたらアーちゃん達があの時のボク達に向けたエリゼの言葉をリィン達に伝えている可能性は一応あるとは思うけどね〜。」
セリーヌの意見を聞いたガイウスが考え込んでいる中、フィーが答えを口にするとマキアスは表情を引き攣らせ、ミリアムは疲れた表情で呟いた。
「リィン君達以外だと、エリゼちゃんの”師匠”を務めているエクリアさんの言葉でしたら、エリゼちゃんの心にも届くとは思うのだけど……」
「エクリアさんはイリーナ皇妃の専属侍女長を務めている関係で当然メンフィル側だから、どの道エクリアさんに頼るのも厳しいでしょうね。」
「エクリアの”真の主”のセリカの口利きならエクリアも協力するとは思うが、セリカが面識の薄い連中の為にそこまでするとは思えねぇしな。」
「はい……少なくてもこの戦争の間はエクリアさんに会う事自体が難しいですもんね……」
ある人物を思い浮かべたアネラスとシェラザード、アガットとティータはそれぞれ複雑そうな表情を浮かべた。
「それとエリゼ君の心に言葉が届く人物が今のお前達の中にはいない事もそうだが、”戦後の彼女の立場”を考えるとお前達がエリゼ君に接触できる機会は中々訪れない可能性が高いだろうな。」
「ふえ?”戦後のエリゼさんの立場”ですか?」
「”戦後の立場”って事はエリゼちゃんが”普段の立場に戻る”ってことですよね?――――――あ。」
「なるほどね……エリゼの普段の立場は”リフィア殿下の専属侍女長”だから、リフィア殿下―――――いえ、メンフィル皇家に伝手がないサラ達が戦後のエリゼに接触できる機会は少ない事は確実でしょうね。」
「ああ……エリゼが仕えているメンフィル皇帝の跡継ぎのあの皇女はハチャメチャな行動は多いが、それでも普段は異世界にあるメンフィルの帝城に滞在して執務をしている事で当然エリゼも普段は異世界にいるだろうから、エリゼがゼムリア大陸自体に姿を現す機会はせいぜ
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