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レーヴァティン
第百九十話 空からの急襲その十
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「北の大国の領土にもどんどんジャガイモ入れるか」
「ジャガイモはいいでござるな」 
 進太がジャガイモと聞いて言って来た。
「まことに」
「そうだよな、この浮島麦が主食だけれどな」
「麦はどうしてもでござる」
「あまり多く採れないんだよな」
「お米と比べても」
「そうなんだよな」
「この浮島にもお米はあるでござるが」
 それでもというのだ。
「この作物は」
「水が麦以上に必要だからな」
「しっかりと灌漑をして」
「それでやっていくものだからな」
「そして寒さにも弱いでござる」
 このこともあるというのだ。
「だから寒冷地の多いこの浮島では」
「栽培に限度があるな」
「そうでござる、地中湖沿岸部位でござる」
 米を栽培出来る地域はというのだ。
「ナイル川もそうでござるな」
「それでもな」
「この浮島はお米を全土で栽培出来ないでござる」
「それがネックだな」
「そうでござる」
 まさにというのだ。
「だから主食は麦でござるが」
「その麦が採れる量が少ない」
「それならでござる」
「ジャガイモになるな」
「ジャガイモは痩せた時でも栽培出来るでござるし」
「寒い場所でもだからな」
「本当にいいでござる」
 非常に優れた作物だというのだ、進太はこの浮島に入るまでも知識として知っていたがこの浮島に入って経験として知ったのだ。
「だからでござる」
「あちらにもな」
「どんどん入れて」
 そのジャガイモをというのだ。
「民を満腹にさせるでござる」
「それがいいな」
「何といっても、あと玉蜀黍も」
 進太はこの作物も話に出した。
「やはりでござる」
「あちらでも栽培させてな」
「食べてもらうことでござる」
「そうだよな、もう栽培出来るものはな」
「何でも採り入れて」
 そうしてというのだ。
「食べてもらうべきでござる」
「そういうことだな」
「人間やっぱりまずは満腹になることや」
 美奈代ははっきりと言った。
「何といってもな」
「満腹になってな」
「充分に動けるな」
「そうだよな」
「まあ日本でも大抵の人が常に満腹になれる様になったのは案外な」
「そんな昔のことじゃなかったな」
「二次大戦後かもな」
 あの戦争の後だというのだ。
「そうなったのは」
「高度成長からか」
「そや、それまではな」
「大抵の人が満腹になってなかったか」
「そや、中国かてな」
 この国もというのだ。
「あのケ小平さんが国の実験握るまでな」
「大抵の人が満腹になってなかったか」
「中国のお百姓さんをはじめて満腹にしたのは」
「ケ小平か」
「そやで、色々言われてるけど」
 天安門事件の責任者としてだ、このことは今でも批判されている。
「しかし功績もあってな」

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