外典 【H×H編】その3
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さて、ネオンに念能力も戻ったしノストラード組のネオンの待遇も元に戻るだろう。
少し買い物でもして帰ろうかと見知らぬ街に出たのが間違いだった。
けたたましく鳴り響くサイレン。アスファルトに焦げ付く無数のゴムの匂い。
繁華街の中心で警察が強盗か殺人犯だろうか、犯罪者を取り囲んでいるのが見えた。
しかし取り囲む犯罪者の恰好が異形そのもので、ホラー映画に出てくる怪物と言われた方がしっくりくる。
昆虫と他の生物を足したような人型の化け物は銃弾など物ともせずに警官たちを食い殺した。
「ひぃいっ化け物だっ!」
取り囲んでいた警官。さらにその周りに安全だと思って覗き見ていた野次馬が我先にと逃げ惑うが、それを面白く感じたのか化け物は目にも留まらぬ速さで虐殺していく。
念能力が使える化け物…だけど…
逃げ惑う人々にまるで川に打った杭のように動かないテトラ。
その杭を見つけた化け物はイヤらしい目つきでテトラを目標に定めるが…
斬ッ
「…なに?」
久しぶりに抜いた日本刀は血糊が付くよりも速く相手の首を切断し、斬られた怪物は首をもがれたと言うのに数秒自分の死を認識しているほどだった。
「帰ろう」
そう言って踵を返すテトラの体を抗えない衝撃が襲った。
『………から逃げてはいけない』
それは昔、そう死にかけていた頃に感じた以来の…
テトラは携帯電話を取り出すとコールボタンを押したのだった。
ヨルビアン大陸、ミテネ連邦にほど近い漁港に有るホテルの一室で備え付けのソファに座って対面するのはテトラとビスケの二人だ。
この間倒した化け物の類似事件はヨルビアン大陸の辺りで頻繁に発生していて、ちょうどその近くに居ると言うビスケを一人で尋ねて来たのだ。
「わざわざこんな所まで来るとは、あんたももの好きだわね」
「ちょっと、ね。それで何が起こっているの」
どうやらミテネ連邦でバイオハザードが起きているらしい。
大型のキメラアントと思われる生物が確認され、大量に人を襲っているようだ。
キメラアントの最大の特徴は摂食交配と呼ばれる特殊な繁殖方法で女王アリの産んだ子供に食べた生物の特徴が混ざって産まれてくる事が有るらしい。
そして今回発見された女王の大きさは2メートルを超え、人すら食せるほどだと言う。
女王はコロニーを形成すると兵隊蟻を産卵し数を増やし、ある一定に達すると王を産むと言う。
その後王は独立し再び女王はコロニーで別の王を産み種を増やしていく。
その過程で女王が死ぬと兵隊蟻の統制が利か無くなり生殖能力のない個体だったはずの兵隊蟻が生殖するために散る事もあるらしい。
「なるほど、その結果があの化け物か」
「そう言う
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