外典 【H×H編】その3
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手。その右手はテトラの頭をくびり落としたはずで、確認の為に動きを止めて振り返った自分の右手には無様な死に顔をさらした少女の首を掴んでいたはずであった。しかし…
「なん…で…オレのから…から…」
掴んだ頭は自らの物で、視界の端には何のことも無い様に歩いて行くテトラの姿を視認してようやく自身の状況を受け入れたように首を落とされた体から大量の血液が宙を舞い倒れた。
彼は気づくべきだった。彼が走った先に同胞の死体がいくつも転がっていた事を。そんな中に華奢な少女が一人で出歩いているはずの無いという事も。
全ては遅きに失したのだ。
「これは…ハギャ様にほうこ…」
その様子を上空から複眼で覗くキメラアントも自身の迂闊さを後悔する間もなくテトラのクナイで脳を複眼事撃ち抜かれて絶命した。
クナイへと飛雷神の術で飛び回収していると、今度は人間の気配が二つテトラの円に触れた。
「あんたが連絡に有った助っ人か?」
と今時珍しいリーゼントをきめた青年がテトラに問いかける。
「ビスケから連絡があったのなら多分そう」
どうやらキメラアント討伐チームのハンターらしい。
「あの速度のキメラアントを一撃か…」
左腕を着流しの懐に隠した侍風の男が戦々恐々と呟いていた。
「オレはナックル、こっちはシュートってんだ」
ふむ、ボールコンビ。覚えた。
「つぇえ奴は大歓迎だ」
とナックル。
「それで、王様はあっちとあっち、どっち?」
テトラは左右の指を使い二方向を指す。
「…王城はあっちだな。なんでもう一方が気になるんだ?」
「勘。あっちは怖い、こっちは…今行かないと会えないような?」
「言ってる意味がわかんねぇな…ちょっと待てやコラ、どっち行くんだよっ!」
テトラが歩き出したのは王城じゃない方向。
「今は少しでも戦力が欲しい、オレ達と一緒に来てくれ」
その言葉に少し逡巡した後テトラはホルダーからクナイを一本取り出しナックルに手渡す。
「これが何だってんだコラ」
「それを持っててくれれば必ず合流できる」
「お前の念能力か?だから行かせろ、と?」
「ナックル、もともと援軍など当てにしてなかったんだ、行かせれば良いだろう」
「シュート…チッ…だが突入前には合流しろよっわかったかコラ」
「うん、大丈夫」
そう言い置くとテトラはオーラで強化した脚力で地面を蹴るとあっと言う間にナックルたちの視界から遠ざかった。
「オレよ、足には自信があったんだが…自信無くなっちまったぜ」
「気にするな、アイツが特別なだけだ…おそらくな」
「おそらくってなんだよ、泣くぞこんちくしょうっ!」
草原をひた走ると荒野になり
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