外典 【H×H編】その2
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1999年8月下旬。
「テトラ、用意なさい。ヨークシンへ行くわよ」
バタンと扉を開けてテトラに与えられた自室へと入って来たネオンは開口一番そんな事を言った。
「ヨークシン、なんで?」
疑問の声を上げたテトラの容貌はこの数年でとてもネオンに似ていた。
初見では双子と言われても分からないだろうほどに。
なぜそんな事になったのかは分からない。遺伝子的には赤の他人のはずだし、連れてこられた時は確かに別人と判じられたはずだ。
だが、ともに生活し護衛と言う名の遊び相手として四六時中一緒に生活していく中で少しづつテトラは変化していったのだった。
それがさらにテトラをネオンの護衛兼影武者と言う役割に縛り付ける事になったのだが、テトラは別に構わなかった。
ネオンと同じものが食べられると言う事はとても美味しいものが食べられると言う事。それはあの時死にかけていた彼女には到底叶わない夢であったからだ。
「競売があるのよ。今年は自分で競り落とすのっ!楽しみだわ」
「なるほど…また趣味の悪いの増やすの?」
「趣味の悪いとは何よっもう。テトラには分からないかなぁ」
プンスカ怒っているけど、人体収集は悪趣味と言っていいと思う。
つまりネオンは9月1日(水)から始まるヨークシンシティでの裏競売に出ると言っているのだろう。
どうにかネオンをなだめすかしているとドアのノック音が響く。
「ボス、新入りを連れて来ました」
この声はダルツォルネだろう。
ネオンは少し逡巡したあとどうぞと答えた。
ダルツォルネに続いて新しい護衛が四人入って来る。
ネオンは余り興味が無いのかベッドに座ったわたしを後ろから抱きかかえる感じで体重を預けて怠惰のポーズ。
ベッドの前に片膝を着いたダルツォルネその後ろに控えるのが新しい護衛だろう。
えーっと…色気のあるお姉さんと男くさい髭、すこし愛嬌のある太めの女性と綺麗な女の子…いや男の子が控えた。
それぞれヴェーゼ、バショウ、センリツ、クラピカと自己紹介をする。
試験に合格して雇い入れられたと言う事は皆念能力者なのだろう。
「それで、どちらがボスなのか」
とクラピカと名乗った少年がダルツォルネに問いかけた。
その言葉にちっと舌打ちしてダルツォルネが答える。
「上に乗っておられるお方だ。下のは似ているが妹でも何でもない。ただの護衛、影武者だ」
「なるほど、理解した」
そう言ってクラピカは下がったがその視線はどこか険しい。
新しい護衛を引き連れて飛行船でヨークシンへと向かい、空港からは車でホテルへと移動する。
その社内でダルツォルネはネオンにいつもの仕事の催促だ。
ネオンは念能力者だ
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