外典 【H×H編】その2
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ではハンゾーの襲撃は最初から警戒されていたものだった。
部屋には影分身と変化の術でネオンのダミーを寝かせて三人はホテルの窓から外へと出る。高層のホテルは夜ともなると肌寒くその高さがいっそうに引き立てていた。
ネオンをお姫様抱っこしてホテルの側面をまるで地面かのように歩いて地上へ。
「いつも思うけれど不思議な光景ね」
「ネオンも修行すれば出来るようになる」
「やーよ、めんどくさいもの」
その後ろにはハンゾーが同じように壁を歩いて控えていた。
「念とは奥が深いぜ…とは言えほとんどの念能力者はこんな事は出来ないんだがな」
「そうなの?」
「そうだ。お前がおかしいんだお前が」
「ハゲも出来てるじゃないの」
とネオン。
「出来ると分かって修行すればな…それでも結構難しいんだぜこれ」
「そんな事無い。壁昇りの業は初歩も初歩、常識」
「何処の常識だよどこの」
「…さあ?」
テトラの中では常識であるが、それに対する答えをテトラは持っていなかった。
偽造したのか盗んだのかは分からないが、ハンゾーが用意した許可証で地下競売へと入る。
勿論三人とも組の構成員に見つかっても面倒なので変装してだ。
裏取引のようなヤバイ物が並ぶ地下競売の会場は招かれた人物たちとは裏腹に簡素なパイプ椅子が立ち並ぶ。
安椅子に左からハンゾー、ネオンと腰かけ最後がテトラだ。
「ねー、まだー?」
「もう少しだと思う」
「早く始まらないかな」
そう言ったネオンだが、疲れていたのか寝息が聞こえて来る。
始まったとしても目当ての商品がセリに出されるにはまだ時間がある。喚かれても面倒だから寝かしておこうかと考えていると遠くの檀上に上がる黒いスーツの男が二人マイクに向かって歩いて行く。
1人は小柄で、もう一人は本当に同じ人間だろうかと疑うくらいプロポーションががっちりした大男だ。
「お、おいテトラ」
ハンゾーがテトラを振り向く事無く正面を見て注意を促す。彼の忍者としての勘がなにかヤバイと告げていた。
余りにも自然に、ただ雑草を間引く程度と同義とでも言うような軽やかさでその大男はこの会場に敷き詰められたような人へと向かって散弾の嵐を放った。
それは常人では無しえない念での攻撃。念弾だった。
念弾が放たれた瞬間、ハンゾーはネオンを私の肩がしっかり触れる程倒し込み自身も堅で防御力を上げている。
わたしはと言えば念の散弾が到達するよりも速く印を組み上げた。
飛雷神の術っ!
瞬間、わたしに触れているものが全てその地下競売から姿を消した。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
玉の汗を浮かべているハンゾー、息も荒い。
「ふぎゃ
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