外典 【H×H編】
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な事があったが物語が動くのはそれから数年ほど後の事。
テトラは買われてから一応自室は与えられているのだが、夜は必ずネオンのベッドで一緒に寝ていた。
これはネオンがテトラをお人形さんのように気に入ったと言う理由も確かに有るが、一番はネオンの護衛のためだ。
実際これには効果があり、何度か刺客を追い払った事がある。
ネオンが深夜のテレビに飽きてベッドに入り、テトラの腕を抱いて眠りにつき、使用人も就寝したのか屋敷の明かりが落とされ屋敷に響くのは時計の針の音くらいとなった頃、ネオンの部屋の天井裏から忍ぶ黒い影。
どうやって忍び込んできたのか、その影は目標を定めると天井からその体を投げ出し落下エネルギーも加味しつつ目標へと短刀を突き出す。
キィン
突き出された短刀にテトラの手に持っていた何かがぶつかり金属が擦れる音が響きネオンの命を奪うはずの短刀を跳ね返したのは咄嗟に手に持ったネオンのヘアピン。
黒い影の男は短刀を弾いた物を視認して驚愕したが、すぐさま落ち着きを取り戻し再びネオンへと空いてる左手を振り下ろす。
凶器こそ持っていなかったがこの男の力で振り下ろされたその手刀は難なくネオンの命を奪うだろう。
だがそれをテトラは許さない。
バンとベッドを叩くと木造のベッドから大量の枝が生え男を突き刺そうと伸びた。
「っな!」
これには男も驚いたよう。
そして暗殺失敗を悟ってからは速かった。
すぐに逃げの一手で音が立つことも構わず部屋の窓を割り外へと逃亡。
庭にはスクワラの操る多種多様な番犬が居るはずだが反応しない所を見ると犬を無効化する手段を持っているのだろう。
スクワラの操る犬は確かに賢いが犬の常識を大きく超えるものではない。
この部屋にはダルツォルネがすぐに駆け付けるだろう。
追う。
すぐにテトラは決断するとパジャマ姿に武器はヘアピンだけを持った状態で窓の淵に足を掛け蹴った。
男の姿は離れているがまだ視認できている。
前を行く男が懐から何かを撒いたようにテトラには見えた。
落ちていく小さな粒を瞬時に読み取り形状を記憶。
撒菱(まきびし)?
それは追手の速度を緩める為に使うトラップの一種だ。
小さな突起がいくつも付いたものを投げおいて、それで死ぬ事にはならないだろうが踏めば傷を負うし避ければ移動を妨げる厄介なものだ。
しかもこの暗闇で常人ではこの撒菱をすべて避ける事は不可能に近いだろう。
ふっ
にやりとテトラは笑う。
この程度で遅れを取らないように修行してきた成果が試されるのだ。
それに…相手は多分忍者。
その事が普段は余り感情を動かさないテトラにしてみればどこか楽しそうに口角が上が
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