第六話 明らかな変化その十二
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家の執事やメイド、彼等を見てだ。彼等に言ったのである。
「これからね」
「はい、宜しくお願いします」
「これからはお友達として」
「このお屋敷にいらして下さい」
「うん。宜しくね」
希望も微笑んで応える。そしてだった。
千春がだ。また彼に言った。
「お友達ならね」
「それならだね」
「うん。仲よく皆で食べよう」
食事にだ。彼等を誘ったのである。希望と彼の友人達を。
「お菓子あるよ」
「お菓子だね」
「それにお茶もね」
そういったものがあるとだ。笑顔で話すのだった。
「だから皆で仲良くね」
「お菓子を食べてお茶を飲んで」
「うん。楽しい気持ちになろう」
「じゃあ」
千春は希望の背中に自分の手を置いたままだ。その温もりを感じながら。
そのうえでだ。彼もまた微笑んで言うのだった。
「これからね」
「うん、皆でね」
こう話してだった。今この場にいる全員でだ。
大広間の奥の廊下を進んで食堂に入った。そこには白いテーブルかけで飾られた長方形の奇麗なテーブルがあった。そのテーブルを見ながらだ。
千春は微笑んでそのうえで。希望に言った。
「ここがお家の食堂なの」
「千春ちゃんはいつもここで食べてるんだ」
「うん、そうだよ」
「皆と一緒に食べてるの?」
「そうだよ。いつもね」
「そうなんだ。家族の人達と」
「希望のお友達とね」
その彼等とだというのだ。いつもそうしているというのだ。
「そうしてるよ。だから希望もね」
「うん、僕もね」
「一緒に食べよう」
こう言ったのである。
「皆と楽しくね」
「それじゃあ」
こうしてだった。希望達は。
皆と一緒にだ。席に着いてだ。
そしてそのうえでだ。出されたお菓子にお茶を前にした。そのお菓子は。
「クレープなんだ」
「はい、お嬢様の好物でして」
「それです」
「それもこのクレープは」
普通の黄色いものではなかった。蕎麦の色だった。
そのクレープを見てだ。希望は言った。
「蕎麦のクレープ?」
「はい、そうです」
「それのクレープです」
友人達がまた希望に言ってきた。チョコレートをかけたクレープの生地はまさにその蕎麦のものだった。彼はそれを見て言うのだった。
「蕎麦のクレープなんてあるんだ」
「それが元々です」
「フランス料理では多くがそうなっています」
「そうだったんだ」
話を聞いて目をしばたかせる希望だった。
「小麦粉じゃなくて」
「そうだよ。それで蕎麦のクレープってね」
今度は千春が話してきた。彼の横の席から。
「とても美味しいしそれにね」
「それに?
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