第百二十三話 耳川の戦いその九
[8]前話 [2]次話
「次々に取れ、そしてじゃ」
「褒美を手に入れる」
「そうしてよいですな」
「ここは」
「そうじゃ、わしもじゃ」
家久自身もだった。
刀を抜いて敵を倒してだ、こう言った。
「この様にせよ」
「はい、それでは」
「又七郎様に続きます」
「その様にします」
「そうじゃ、そうして褒美を手に入れよ」
強い声で言ってだった。
家久も攻めていった、島津家の軍勢は大友家の軍勢を前と斜め前そして左右の斜め後ろから火が点いた様に攻め。
大友家の軍勢を押していた、義久はその状況を見て言った。
「よし、ここはな」
「このままですな」
「攻め続け」
「そしてですな」
「川に落とせ、あと少しでじゃ」
兵達に対して話した。
「敵は退く」
「そうなりますな」
「敵は押されています」
「やられる一方です」
「この状況では」
「そろそろ退く、だからな」
それ故にというのだ。
「ここはな」
「さらに攻めて」
「退かせる」
「そうしますな」
「川の流れが強くなってきた」
義久は耳川も見て言った。
「ここで退けばな」
「そうすればですな」
「流れの強い川に入り」
「溺れもしますな」
「そうなる、だからな」
このことも見てだった。
「よいな」
「はい、それでは」
「敵を退かせましょう」
「そして川を渡らせ」
「溺れさせもしましょう」
「そうするぞ」
義久も刀を抜いていた、その刀を振るい。
自ら馬を駆り攻めていた、そうして敵を散々に破って退かせてだった。
川まで追い落とした、すると大友家の者達は多くが溺れた。歳久はその大友家の軍勢の状況を見て兵達に話した。
「大友家の者達は間違いを犯した」
「川を無理に渡った」
「そのことが間違いですな」
「まさに」
「そのことが」
「左様、川を渡ることは難しい」
このことはというのだ。
「それを敵の前で無理にする、しかもじゃ」
「川の流れが強い」
「だから余計にですな」
「渡るべきではなかった」
「そうでしたな」
「そこを間違えた、それではこれよりじゃ」
まさにというのだ。
「川にじゃ」
「落とす勢いで攻めて」
「そうしてですな」
「溺れさせる」
「そうしますな」
「そうじゃ、その様に攻めるぞ」
やはり歳久も刀を抜いていた、そうして果敢に戦い。
大友家の軍勢を川に着き落とし川向こうにやった、それを見て。
義久は兵達に強い声で告げた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除