第六話 明らかな変化その十一
[8]前話 [2]次話
「千春がいつも皆に言ってるね」
「わかりました。では遠井様をこれから」
「おもてなしすればいいのですね」
「うん。そうして」
その笑顔で言う千春だった。
「千春と一緒に幸せになりたいから」
「ではその様に」
「おもてなしさせてもらいます」
こうしてだった。千春はだ。
希望を家の者達に紹介した。そしてだ。
希望にもだ。こう話したのだった。
「千春の家族だよ」
「この人達が」
「そう、家族だよ」
まさにそれだというのだ。
「宜しくね」
「宜しくお願いします」
希望もだ。彼等に対して頭を下げた。挨拶をしたのだ。
挨拶をしてからだ。そのうえでだった。
彼等にだ。こう言ったのだった。
「あの、それで僕は」
「はい、遠井希望様ですね」
「千春お嬢様の大切な方ですね」
「大切な方って」
この表現にだ。希望はだ。
戸惑いを覚えて困惑した顔になった。しかしだ。
ここで千春がだ。笑顔で希望に言ってきたのだ。
「ううん。そうだよ」
「僕は千春ちゃんの大切な人なんだ」
「だって。恋人だから」
恋人、まさにそれだというのだ。
「人の世界のね。それだからね」
「だから大切な人なんだ」
「そうだよ。だからだよ」
邪気のない笑顔でだ。それで言ったのである。
「千春は希望の大切な人なんだよ」
「それでなんだ」
「そう。そういう人だよ」
こう言って引かない千春だった。
「だからそんなに困ることはないんだよ」
「そうなんだ」
「そう。そんな顔しないでね」
それでだというのだ。
「皆にも普通にね」
「普通に?」
「お友達になってね」
「僕がこの人達と」
「そう。千春は恋人であの人は一番の親友で」
真人、その彼の話もする千春だった。
「それでお家の皆はね」
「僕の友達に」
「お友達って一人だけでいいんじゃないわよね」
「うん。僕はずっと友井君しか友達はいなかったけれど」
だがそれでもだとだ。希望は千春に答える。
「他の人は何人も友達がいるよ」
「そうよね。それじゃあね」
「この人達と。僕が友達に」
「なってくれる?」
千春は純粋な微笑みを希望に向けて彼に話す。
「そうしてくれる?皆と」
「いいんだね。そうして」
「うん、そうして」
「それでこの人達と」
「幸せになって」
こう言ってだ。そうしてだった。
千春の背中にだ。その右手にそっと手をやった。その手を受けてだ。
希望もだ。顔をあげてだ。そのうえでだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ