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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第五十三話 誰が強いの? 1
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菓子に手をつけるヴィータ。今一つ、エリオの質問の意味が分からないようだ。

「えーと……とりあえず平均的な”強さ”って事で……」

エリオ自身、どう質問したものかと考えながらの返答だ。

「平均的な強さぁ?」

その言葉に、ヴィータはエリオが質問の本質を理解していない事を感じ取った。

「追跡戦か決闘か、戦闘状態や相性の違いにだって左右される。どんな状況でも平均的に強いってのは、要は何でも屋って事だが、マルチスキルは対応力と生存率の上昇の為であって、直接的な強さとは関係ねぇぞ」

ヴィータは一度区切ってお茶を飲む。

「一人の人間がその時できるのは、いつだって一つの事だけだ。ウチにも一芸だけのバカがいるけどよ、それが通用しなきゃ強いとは言えねぇだろ?」

「あ、はい……」

ヴィータの言葉に、エリオが頷く。

「エリオ、お前は強くなりてーのか、便利な何でも屋になりてーのか、どっちだ?」

「あ……」

ようやくエリオも、自分のした質問の本質に気づいたようだ。

強さとは何か?

「……もう少し考えてみます」

朧気ながら、エリオは何かを掴みかけていた。

一礼して、エリオは離れていった。

そのエリオの背中を見て、ヴィータは呟いた。

「ヒヨッコが、もうそんな事を考えるようになったか……」

その表情は、どこか優しげだった。



アルト・クラエッタの調査。

調査対象、シグナム副隊長。

「まったく、お前まで一緒になって……先輩らしくしていろと言った筈だが?」

シグナムはため息混じりにアルトを見る。

「すみません。でも、交流も大事かなーとか……」

一緒にどころか、率先してお祭り騒ぎにしたとは言えないアルトは、アハハと乾いた笑いをした。

「まあな」

呆れるように呟くシグナム。

「で、副隊長的にはどなたが?」

騒ぎを煽った事はひた隠しにし、アルトが尋ねる。

「隊長達4人でトーナメントでもすれば、試合条件にもよるが、やった回数だけ優勝者は違うだろうな。そのくらい力は伯仲している」

ふと、以前なのはと行った模擬戦をシグナムは思い出した。

「本局の戦技披露会でやった高町隊長との試合は心踊るものだったが、決着がつかなかったからな」

そう言われ、アルトもその試合を思い返す。

「みんなに見せてあげたいんですけどね〜」

「とてもじゃないが、教材にならんそうだ。あれは血戦だったからな」

シグナムが苦笑する。自分でもやりすぎたと思っていたからだ。

「あ、でもアスカには参考までに映像を見せたんですよ」

「ほう、アイツは何か言っていたか?」

「真っ青な顔して”いつか殺られる”って言ってました
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