第二章
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「ここ来るのなんてね」
「滅多になかったんだな」
「あたし本当にね」
「行く場所っていうとか」
「山とか川とかね」
「海とかだな」
「そうした場所ばかりでね」
それでというのだ。
「後は動物園とか植物園で」
「自然ばかりだな」
「だからね」
「ここにはか」
「本当に久し振りに来たわ」
「たまにはいいだろ」
幸正は瑞希に言った、だが。
彼女の今の恰好を見てこう言った。
「しかしな」
「しかし?」
「お前のその恰好な」
キャップ帽、タイガースのそれにラフな白いシャツと膝までの薄茶色の半ズボン、白いソックスとシューズというファッションを見て言った。
「もう山とか川にな」
「行く恰好っていうのね」
「ああ」
幸正はお洒落した格好だった、何処かホスト風のファッションだが似合っているし着こなしもいい。その格好で彼女に言うのだった。
「それはな」
「あたし服はね」
「そういうのしか持ってないんだな」
「それかジャージね」
「デートにジャージで来るなよ」
「それはないから」
瑞希もそこは断った。
「流石にね」
「やっぱりそうか」
「それは安心してね」
「ああ、まあ着てきたしな」
「仕方ないっていうのね」
「行こうか」
「最初は何処に行くの?」
瑞希は幸正に問うた、駅前の広い場所で。
「それで」
「百貨店な」
「そこなの」
「そこに行ってな」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「楽しむのね」
「百貨店行って昼も食って」
そしてというのだ。
「カラオケもな」
「行くのね」
「それでどうだよ」
瑞希に対して問うた。
「それで」
「いいんじゃない?」
瑞希は笑顔で応えた。
「それで」
「ああ、じゃあ行こうな」
「行こうね」
こう話して二人はまずだった。
百貨店に入った、するとだった。
瑞希は幸正の手を取って笑顔で言ってきた。
「案内してね」
「おい、案内ってな」
その瑞希に返した。
「それは自分から動いて手を引っ張って言わないだろ」
「そうかな」
「普通はな、けれどな」
「案内してくれるよね」
「俺が言ったしな」
街に行こう、そこでデートをしようとだ。
「それじゃあな」
「宜しくね」
「そうさせてもらうな」
こう答えてだった。
幸正は瑞希に百貨店の挨拶をしだした、その中で。
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