第四章
[8]前話
「いいだろ」
「そうですね、しかし妖怪が出るとか」
「やっぱり埼玉凄いですね」
「このことでも有名になりますよ」
「妖怪も出る大都会とか」
埼玉県民である彼等は今度はこんなことを言い出した。
「このこと売り出しましょう」
「是非共」
「そして埼玉の凄さを神奈川や千葉の連中に思い知らせてやりましょう」
「群馬とか茨城とが栃木の連中にも」
「そうしてやりましょう」
東京には言わないのだった。
「埼玉馬鹿にするなって」
「西武ライオンズも西武ドームもある」
「埼京線人が多いって」
「さいたま市は政令指定都市だってことも」
「埼玉アリーナの凄さも」
「東京にもすぐだってことを」
「ああ、しかし妖怪を宣伝にするならな」
辻は意気込む彼等に話した。
「やっぱりあの妖怪漫画の巨匠先生みたいな人がいないと駄目だな」
「っていうとあの人ですよね」
「山陰の方に生まれた」
「あの漫画家さんですね」
「ゲゲゲとかの」
「ああ、流石に埼玉でも無理だよ」
自分達が凄いと言い切るこの県でもというのだ。
「妖怪を売り出すにはな」
「あのその辺りの草でも食ってろって漫画で言った漫画家さん妖怪漫画描いてましたね」
「そうでしたよね」
「あの人駄目ですか?」
「あの人は今妖怪漫画描いてないだろ、それにあの人もう埼玉に住んでないみたいだしな」
だからだというのだ。
「難しいな」
「それは残念ですね」
「埼玉ディスってくれましたけれど若しかって思いましたが」
「駄目ですか」
「ああ、これはちょっとな」
埼玉の凄さの宣伝にするにはとだ、辻は言った。そうして彼等と埼玉のことをさらに話した。色々と言われているが実は凄いその県のことを。妖怪も出る埼玉県は何かと凄いということは彼等の中では本当のことだからこそ。
箕借り婆さん 完
2020・6・14
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