第二章
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「大谷さん小柄だしな」
「部活確か吹奏楽部だよな」
「運動部じゃないし」
「それじゃあ」
「これといって」
「期待出来ないんじゃ」
「吹奏楽部は運動部並みにランニングやサーキットするでしょ」
天は部活の練習のことから話した。
「そうでしょ」
「そういえば」
「吹奏楽ってそうだったよ」
「その実は」
「そんな部活だったわ」
「その吹奏楽部でもソツなくなのよ」
そこを言うのだった。
「だからね」
「リレーもか」
「やってくれるか」
「そうなんだな」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「どれだけ凄いか」
「そのことをか」
「見ればいいんだな」
「リレーで」
「私がこれまで言ってる通りにね」
天の言葉は変わらなかった、そして実際にだった。
奈央は運動会のリレーのアンカーで疾風の様に走って一位となった、ここで天はクラスメイト達に言った、皆上は白の体操服下は濃紺の膝までの半ズボンという恰好だ。
「どう?」
「凄いな」
「トップなんてな」
「先にいた娘全員抜いたしな」
「陸上部顔負けだったな」
「とんでもない速さだったわね」
「あれがね」
まさにというのだ。
「奈央ちゃんなのよ」
「本当に凄い娘なんだな」
「勉強もスポーツも出来る」
「そんな娘か」
「けれど」
ここでクラスメイトの一人が言った。
「そんな娘がどうして目立たないんだ?」
「そうだよな」
「普段もな」
「何か目立たなくて」
「それでな」
「地味で」
「クラスでも話さなくて」
「授業中もこれといって」
目立たないというのだ。
「それがどうして」
「あんなに凄いんだ?」
「一体」
「普段はそうなのに」
「そのことはね」
天はさらに話した。
「あの娘のタイプなのよ」
「タイプ?」
「対応っていうと」
「テストとかリレーのアンカーとか演奏のコンクールでないと」
そうした時でないと、というのだ。
「出て来ないのよ」
「本領を見せない」
「そうした娘なの」
「そうだったの」
「普段から真面目に勉強して部活もしてるけど」
それでもというのだ。
「授業や練習の時は目立たなくて」
「それでか」
「ここぞって時に出て来る」
「そうした娘だったのね」
「それを誇らないから余計に目立たないけれど」
それでもというのだ。
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