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放置の結果
第四章

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「ケケケケケケケケケケケ!!」
「何だありゃ」
 それは西瓜の皮をくりぬいた様な顔だった、言うなら南瓜に人の顔を作った様だ。目と鼻と口からは西瓜の赤い実と田ねが月光に照らされて見える。
 ニコライはそれを見て驚いたがヴァンピールは騒がず。
 西瓜が襲ってきたところに拳銃を向けた、そうして。
 発砲しそれで西瓜を射抜いた、射抜かれた西瓜はすぐに地に落ちて動かなくなった。その一部始終を見てだった。
 ニコライはまたしてもこっそりと動いて家に戻った、隠れて家に帰ったつもりだったが家の階段を上がる時にだった。
 ヴァンピールが仕事に出てからまた飲んでいた父にこう言われた。
「どうだった?」
「えっ、家で他の知ってたのかよ」
「わかるさ、それでわざと行かせたんだよ」
 父は飲みつつ息子に話した、つまみはソーセージとチーズそれに固いパンだ。
「お前があんまり信じないからな」
「そうだったんだな」
「それでどうだった」
 息子にあらためて言ってきた。
「いたか」
「ああ、実際にな」
 息子は父に階段のすぐ下から答えた。
「いたよ」
「そうだったか」
「本当になるんだな」
 ニコライはこうも言った。
「吸血鬼に」
「言い伝え通りだったんだな」
「だからか」
「ああ、西瓜はな」
「畑から全部取らないと駄目か」
「そうだ、それでうちもな」
「西瓜は全部取るんだな」
 畑のものとはとだ、ニコライは述べた。
「吸血鬼にならない為にも」
「そうだ、これでわかったな」
「よくな、あとお金は」
「それは吸血鬼作った人持ちだよ」
「畑の持ち主か」
「西瓜をほったらかしにしてたのが悪かったからな」 
 それでというのだ。
「そのことはな」
「責任はその人持ちか」
「ああ、ただ相手が西瓜で出て来て犬や猫が騒いだだけでな」
「被害出ていないからか」
「そんなに報酬っていうか迷惑料も高くないからな」
「いいんだな」
「ああ、しかしな」
 それでもとだ、父は息子に話した。
「うちもそうならない為にな」
「どんなまずい西瓜でもか」
「畑にあるのは全部取るぞ、いいな」
「じゃあ出来るだけ美味い西瓜作る様にするな」
「完璧を目指すんだな」
「ああ、本当になるからな」
 西瓜が吸血鬼にとだ、こう言ってだった。
 ニコライは自分の部屋に戻った、それから彼はより美味い西瓜を作る様に努力して出来るだけ畑に残したくなる西瓜を減らしてだった。
 畑の西瓜は全部取った、そうして吸血鬼が出ない様にしたのだった。それは彼が高校を卒業して本格的に家の仕事に入ると余計にそうなった。


放置の結果   完


                2020・9・20
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