第一章
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放置の結果
ルーマニアに住んでいるニコライ=コルシチェフの家では西瓜畑がある。
彼の家は西瓜の他に多くの作物を作って売っている。つまり農家であり彼も高校に通いながら日々働いている。
それで農作物には詳しいが特に西瓜を見ることには天才的なものがあり。
見ただけでその西瓜が美味いかまずいかがわかる、割ったり味わってみなくても皮が厚いか種が多いかもわかる。
それで畑である西瓜を見てだ、彼は父に言った。
「父ちゃん、この西瓜最悪だぜ」
「まずいか」
「皮はどうしようもなく厚くてな」
黒髪は縮れていてそれを後ろに撫でつけている、目は青でやや面長で肌は白い。背は一七二位でがっしりした体格をしている。眉が太くたくましい顔立ちだ。
「種は多い、しかも味はすかすかだよ」
「そんな西瓜か」
父のミハエルは息子の言葉に頷いた。
「お前が言うなら間違いないな」
「おいら西瓜のことはわかるからな」
「ああ、不思議とな」
「才能だな、美味い作り方もな」
「お前すぐに覚えたしな」
「けれどその季節にどうしても一つはな」
「まずいのが出来るな」
息子にこう言った。
「大抵は美味いくても」
「ったく、おいらもまだまだか?」
「あれだけ作ってまずいのが一個なら凄いだろ」
「そうか?」
「うちの西瓜は美味ので評判だしな」
それで生計の一部にもなっているのだ。
「母さんも言ってるだろ」
「おいらの西瓜を見る目と育て方がyとくて助かってるってか」
「ああ、だからな」
「まずいのが一個あってもか」
「林檎だってそうだろ」
この果物もというのだ。
「やっぱり箱に入れたらな」
「一個は駄目なのがあるな」
「そういうもんだ、だからな」
「おいらが作ってもか」
「悪い西瓜も出来るさ」
「そうなんだな」
「だからな」
それでというのだ。
「それは仕方ないさ」
「気にすることはないか」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「この西瓜はうちで食うか」
そのまずいという西瓜を見つつだ、父は言った。目は息子と同じ色だが髪の毛の色は茶色でしかも直毛だ。ニコライの目は父親譲りで髪の毛は母親譲りなのだ。ただし顔立ちと身体つきは父親のものである。
「そうするか」
「物凄くまずいぞ」
「まずくても食わないと駄目だ」
父は息子に言った。
「畑の西瓜は全部な」
「そういえば父ちゃんいつもそう言って畑の西瓜全部取ってるな」
「売ってどうしても売れないものは食ってるな」
「ああ、そうしてるな」
「だからこの西瓜もな」
息子が言うとんでもなくまずいそれもというのだ。
「いいな」
「食うのかよ」
「そうするぞ」
「この西瓜だけは止めておけよ」
息子は強い声で言った
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