暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギア無印編
戦士達の休息
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
岩に辿り着き、奏は勝鬨を上げる。

「はっはー! どうだ颯人! 約束通り全員に……って、あれ?」

 颯人の悔しがる声が聞こえない事に奏が疑問を抱いて周囲を見渡すと、颯人の姿が見当たらない。周囲を見渡したり、岩陰を見ても居ない。ふと自分を置いて砂浜に戻ったのかと背後を見るが、颯人の姿は影も形も見当たらなかった。
 まさか彼に限って、足を攣って溺れたという事は無いだろう。だがそうなると、彼は一体何処に?

「ぶはぁっ!!」
「わぁぁぁぁっ!?」

 突然背後から響く大声と吹き上がる水飛沫に、仰天して奏は一瞬沈みかける。
 口に入った海水を吐き出しながら背後を振り返ると、そこにはしてやったりな顔をしている颯人が居た。

「わっはっはっ! どうだ奏、驚いたか?」
「当たり前だ馬鹿!? 海のど真ん中で何考えてんだ心臓に悪い!?」

 最後、奏が僅差でゴールする瞬間、颯人は素早く海中に潜り奏の視界から消えたのである。それもこれも全て、この悪戯を完遂する為だ。

「いやぁ、海と言ったらやっぱこれだろう? 一度はやっておかないとさぁ」
「あるかこんなの!? お前本気で一発溺れてみるか、この!」

 奏は颯人に抱き着き、彼の頭を海中に沈めようとする。流石に二度の息止めは堪えるので、これには颯人も抵抗する。

「ちょ、待て待て待て!? 分かった、俺が悪かった!?」
「今更謝って済むか!?」

 そうして颯人と奏は暫し沖でじゃれ合っていた。

 一方砂浜では、こちらもこちらで白熱した勝負が行われていた。

「よっしゃ! 行け透!!」
「緒川さん、頼みます!」
「任せてください!」

「頑張れ翼さ〜ん! 緒川さ〜ん!」
「クリスと透君も負けないで〜!」

 砂浜では現在、透・クリスペアと翼・慎次ペアによるビーチバレーが行われていた。
 最初はクリス・未来ペアと翼・響ペアによる試合が行われていたのだが、透が1人審判係で実質除け者状態なのが見ていられず、クリスが透とペアを組むことに。そうなると必然的に少女のみとなる翼・響ペアがどうしても不利になってしまう為、彼ら彼女らの世話係としてついてきた慎次が響と交代して試合に臨むことになった。

 その結果、共に身体能力に優れる透と慎次によるスパイクの撃ち合いと言う白熱した戦いが行われていた。クリスと翼の2人は完全にトス役に徹している。

 透の落雷の様なスパイクを慎次が見事にレシーブ。それを翼が優しくトスして、理想の高さになったところで慎次が持ち前の身体能力で高く飛び透に負けないレベルのスパイクを放った。透は慎次の視線から彼が打ち込もうとしている場所を特定し先手を取ってスパイクが打ち込まれるだろう場所でレシーブの構えを取るが、何と慎次の放ったスパイクはカーブし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ