敵は敵でも好敵手?
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お茶も菓子も美味しかった。
まさかイタチが煎れたのかなぁ。でも、家までお邪魔した割りにご両親に会ってないよね。このお茶は姿を見ていない母親が煎れたのか。それともイタチが煎れたのか。どっちかなぁ…。
「さっさと構えろ!」
現実逃避をしていた私に、苛立った声が届く。
ものすっごく現実逃避をしていたけど、今の現状といえば、向かい合うようにサスケが立ってる。少し離れた場所にはイタチ。さっきまでのほのぼのとした…まぁ、殺伐としてたけどね。兎に角お茶と菓子だけは美味しかった状況から一転。サスケはクナイを構えてるし。
五歳の子供に刃物は持たせちゃいけません。
そんな現代の常識がガタガタと音をたてて崩れているんだけど、サスケは知った事じゃないとばかりに怒鳴るように叫ぶ。
短気なお子様め。
「……はぁ」
思わずついた溜息に、サスケの眉がぴくりとはね上がる。
「構えないで余裕だな」
「別に。俺の準備は終わってる。気が付かないか?」
既にチャクラの絃は張り巡らせてある。
どうにもこうにも、父さんと手合わせする時の癖がついてるのかな。絃はほぼ自動で使えるようになってる。我愛羅の砂じゃないけど、系統的には同じなのかもしれない。
「サスケ。油断するな」
私の戦法を知っているイタチが、サスケに言葉を投げかける。
「はっ。こんな女みたいなヤツに俺が負けるかよ」
折角のイタチの忠告も、右から左へ軽く流すサスケ。五歳児にこんな言葉を使っていいのか迷うけど、細くて小さくて大人になれば優男?な見た目はなめるよねー。あはは。まぁ…女みたいなヤツって女ですけどねー。
つっこまないけど。性別の件は不透明でいいからつっこまないけど、絃に気が付かないサスケに対してはどうしようかな。
下忍未満に気付かれたら、あの修行をしてる立場としてはどうしようもない程腕がないって事だから、気付かれたら逆に私が困るんだけどね。
サスケの様子を伺いながらも、どんな言葉を返そうかなぁ、なんて内心はかなり暢気な感じだ。
本音だろうけど挑発とも受け取れるサスケの言葉だから、私もちょっと煽ってみるかな。
「口だけは達者なんだな」
これが煽りになるのかはよく分からないけど。
「──なんだと!」
微妙な所だったけど、どうやら見事に煽られたらしい。
やっぱりサスケは相当短気だと再確認してたら、サスケはクナイを持ったまま地面を蹴り上げ、私との距離を詰めだす。
というか、足にチャクラを纏わすやり方とかをカカシから教わってないから、かなり遅い。本当に遅い。
今のサスケを見ると、ナルトは心底規格外だ。
「イタチさんも弟に甘いんだね」
クナイを持った右腕を振り上げ、私に向かって一直線に向かってくる刃先。
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