123 転校の噂
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大野の転校の噂は広まって行った。
「ねえ、ねえ、大野君転校するらしいよ」
「ええ、本当!?」
かよ子はなぜこんなに早く噂が広まったのか知る由もなかった。きっと大野の母がクラスメイトの親に会う度にその旨を言ったからなのだろうか。
(こ、この事杉山君が知ったら・・・!!)
かよ子は杉山が親友の転校をどう反応するか気になった。そして大野が教室に入って来た。そして杉山は早速大野に問答する。
「大野お、お前、転校するなんて?だろ?皆噂してるぞ」
大野は黙ったままだった。杉山はもう一度確認する。
「嘘だろ?」
だが、大野は噂を否定しなかった。
「・・・本当だよ。俺も昨日知った」
そして杉山は大野を問い詰める。
「どこだよ?」
「東京だ」
「東京?遠いじゃねえかよ」
「俺だって行きたかねえよ」
クラス中がこの口論に注目した。杉山が好きなかよ子も、大野が好きな冬田も、例外ではなかった。
「中学も高校も一緒のとこ行くって決めたじゃねえかよ!」
「しょうがねえだろ!親が決めた事なんだ!」
「大野・・・、お前・・・!!」
杉山は感情的になった。
「馬鹿野郎!お前みたいな約束破りどこかへ行きやがれ!!」
「何だと!?」
大野も逆上した。
「俺はな・・・。お前なんかがいなくなっても大将なんだ!」
「俺だってお前みてえな解らず屋と一緒にいたかねえよ!」
「んだとお!?てめえ、ちょっと表出ろお!!」
「ああ、やってやるよ!!」
大野はランドセルを置くとすぐ様教室を出て行った。
「大野君、杉山君!!」
ブー太郎は慌てて二人の後を追いかけた。
(もしかして、決闘でもするつもりなの・・・!?)
かよ子はその予感しかしなかった。
「ちょ、大野君、杉山君!」
まる子とたまえも追いかける。
「ま、待ってえ、大野くうん!!」
冬田も必死で追いかける。
(もし、二人が喧嘩するのなら、止めなくちゃ・・・!!)
かよ子も大急ぎで教室を飛び出した。
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