123 転校の噂
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「そうよお!私も行くのよお!ね?大野君?」
「あ、ああ・・・」
大野は素っ気なく反応した。杉山は大野がいつもと違うと感じた。彼に何か悩みでもあるのかと・・・。
「わ、解ったよ〜、そうだ、たまちゃんも行こうよ」
「穂波はその異世界からの手紙、貰ってるのかブー?」
「い、いいや、私の所には来てないよ・・・」
「じゃあ、穂波は行く資格はねえな」
「そんな、たまちゃんがいないと・・・」
「わがまま言うなブー!」
「そうだぞ、遊びに行くんじゃねえんだ」
「そんなあ・・・」
「まるちゃん・・・」
「たまちゃん・・・」
「私待ってるからね、頑張ってね・・・」
「ごめんね、たまちゃん、連れていけなくて・・・」
まる子とたまえはどこかのドラマのように哀しく向き合った。
「たまちゃん」
かよ子もたまえに呼び掛ける。
「たまちゃんの日常も私達できっと元に戻すからね!」
「ありがとう、かよちゃん」
たまえはかよ子に礼をした。
かよ子は家に帰った。
「只今」
「お帰り。そうだ、今日、買い物してたらね・・・」
母は顔が暗そうだった。
「どうしたの?」
「大野君のお母さんに会ったのよ」
「それで?」
「実は大野君のお父さん・・・、四月から転勤なんだって」
かよ子は一瞬、沈黙に陥った。
「え・・・、って事は・・・」
「そうね、大野君も転校する事になるわね」
「そ、そうなんだ・・・」
かよ子はクラスメイトの一人がいなくなるという事実を知って寂しく思った。
(でも、これを杉山君が知ったら・・・)
大野の転校を彼の親友であり、自分が好きな男子である杉山がそれを知るときっとショックを受けるだろうと思った。そしてかよ子は一つの事を決める。
(大野君が転校するまで、この戦いを終わらせないと・・・!!)
翌日、かよ子は登校の途中、たまえと合流した。
「おはよう、かよちゃん」
「たまちゃん、おはよう、あの・・・」
かよ子はあの事を言おうかどうか迷っていたが、思い切って言う事にした。
「お母さんが昨日、大野君のお母さんと会ってね、そしたら大野君がお父さんの転勤で東京に行っちゃうんだって」
「ええ!?」
たまえは彼女にとって寝耳に水の事だったので非常に驚いた。
「そうなんだ・・・」
「うん、だから私、杉山君と大野君のコンビはずっと続くって思ってたから、寂しくって・・・。せめて大野君が引っ越すまでに何とか元の日常を戻したいんだ・・・」
「うん・・・、そういえば、かよちゃん、異世界に行くんだよね?」
「そうだよ」
「私、かよちゃん、信じてるよ・・・」
「うん、ありがとう、たまちゃん」
かよ子は「一般人」であるたまえの分も頑張らなければと思っていた。
だが、時間が過ぎると、
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