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おっちょこちょいのかよちゃん
123 転校の噂
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 かよ子の母は一人で買い物に出かけていた。何しろ平日の日中の為、娘も夫も家にいない。そんな時、商店街にて大野の母とばったり会った。
「あら、山田さん」
「大野さんも買い物ですか?」
「はい、あ、そうだ、山田さんの所に異世界の手紙なんてのが来てませんでしょうか?」
「はい、来ましたよ。私も娘も異世界へ行く予定になっております」
「そうでしたか。息子一人で不安と思いましたが、山田さんがいて安心です」
「それに、向こうの世界の人達も色々と手助けしてくれるはずですので、大丈夫ですよ」
「はい、あの、それと、もう一つ言わなければならない事がありまして・・・」
「はい・・・?」
「実は、主人が・・・、今年の春から東京へ転勤になりまして・・・」
「え?東京へ?」

 体育の授業。この日は体育館でバスケットボールをやっていた。かよ子は杉山に、冬田は大野に見惚れていた。
「いよ!」
「それ!」
 バスケのゴールに易々とボールを入れてしまう二人に他の男子達は全く叶わなかった。
「大野くうん、素敵だわあ〜」
(す、杉山君、凄い・・・!!)
 体育が終わった後、かよ子は杉山に話しかけようとする。
「あ、あの、杉山君・・・。今日のバスケ、凄いかっこよかったよ」
「へへ、そうか、サンキューな」
 その一方、冬田は大野に暑苦しそうに近寄った。
「大野くうん、凄いカッコよかったわあ〜」
「ああ・・・」
 どう反応すればいいのか分からない大野だった。何しろ異世界で戦って元の日常を取り戻す事も必要だが、大野にはもう一つの問題があるのだった。だが、誰にもすぐに告白できなかった。勿論親友である杉山にさえも。
「ところで、山田」
「え!?」
「異世界からの手紙、来たか?」
「ああ、あの手紙?うん、来たよ」
「これから大変な戦いが始まるんだな・・・」
「うん、私のお母さんも行くって」
「そうか、俺も大野も、俺の姉ちゃんも、ブー太郎も行くぜ!」
「うん、ありがとう・・・!!」
 かよ子は杉山達といればこの杖はきっと守り抜けられると信じていた。

 かよ子は大野、杉山、ブー太郎、そして長山に冬田、まる子、たまえと帰る。
「そうそう、僕の所にも異世界からの手紙が来たんだ。近所のお兄さんの所にも来たって」
「そうなんだ、長山君の所にも・・・」
「アタシの所にも来たけど、わざわざ来てもらってんのにアタシ達が行く事はないと思うなあ〜。アタシゃ遠慮させてもらうよ」
 まる子は空気を読まない発言をした。
「お前、正気かブー?」
 まる子は皆から非難の目を皆から向けられた。
「う・・・」
「さくら、俺達は元の日常を取り戻す為に、異世界の敵だの赤軍だのと闘う為にこの石を持ってんだぜ。自分は面倒くさいから嫌ですで通用する話じゃねえんだ」

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