第六話 明らかな変化その二
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どうしてもわからないといった声でだ。こう真人に言った。
「その違いって」
「友達は。僕の場合はですが」
「友井君の場合は」
「はい、何時でも好きな時に一緒にいられます」
「けれど千春ちゃん。恋人は」
「そうではないと思います。僕も恋人ができたことはありませんが」
だがそれでもだとだ。真人は希望に話すのだった。
「本で読んだことがあります。恋人、女性はその相手を持つとです」
「どうなるのかな」
「その人を自分のものにしたくなると聞いています」
「僕を千春ちゃんの」
「はい、誰もがそうではないと思いますが」
それでもだというのだ。そしてなのだった。
「そうした方が多いそうなので」
「じゃあ三人で遊ぶのは」
「嫉妬ですか。誰にでもその感情はありますから」
「友井君は男でも?」
「はい、それでも遠井君が自分の目の前で誰かと親しく話しているとよく思わないそうなので」
「だからなんだ」
「三人で御会いするのはいいですが遊ぶことはいけないです」
こう言うのだった。
「その人とはその人とだけ遊んで下さい」
「そうするのがいいんだ」
「その通りです。ではいいでしょうか」
「うん。よくわからないけれど」
「そうですね。こう考えられてはどうでしょうか」
希望がどうにもわからないという顔で実際にいるのを見てだった。
真人は今度はだ。こう彼に話した。
「遠井君が。その人とその人のお友達と三人で遊びますね」
「僕が考えていたのと逆に」
「はい、その時にその人がお友達と遠井君の前でずっとお話したり遊んでいたらどうでしょうか」
「寂しいね」
そう話されて実際に想像してみた。するとだ。
自然にそうした気持ちになってだ。こう答えたのだった。
「若しそうなると」
「そうですね。ですから」
「こうしたことはなんだ」
「止めておくべきです。好きな人をそうした感情にさせることはよくありませんから」
「じゃああくまで」
「はい、遊ばれる時はお二人で」
そうしろというのだった。
「是非共です」
「そうするべきなんだね。じゃあ」
「そのことだけは忘れないで下さいね」
「わかったよ。詳しく教えてくれて有り難う」
今度は希望が礼を言う。真人のその心配りに感謝してだ。
そしてだった。そのうえでだ。希望は話題を変えた。今度の話題は。
「じゃあ退院したら」
「はい、その時にですね」
「何処に行く?二人で」
「カラオケはどうでしょうか」
真人はずっと優しい顔で希望に話してきた。そしてだ。彼は今度は未来に期待する、そうした笑みになってだ。そのうえで希望に対してこう提案したのである。
「そし
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