第百九十話 空からの急襲その五
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「それでもな」
「敵は攻めて来ない」
「そして後はですね」
「あの方々を待つ」
「そうしますね」
「ああ」
その通りだというのだ。
「そうするぜ」
「わかりました」
「それではですね」
「我等としてな」
「吉報を待ちますか」
「そうしような」
こう言って実際にだった。
久志は守りを固めた、すると。
暫くして空船が戻ってきた、そして剛は縄で固く縛った小柄で険しい顔に濃い黒い髭を生やした中年男を出した。
その男を見てだ、久志は剛に問うた。
「その男がか」
「うん、この国の王様だよ」
剛は久志に微笑んで答えた。
「そうだよ」
「やっぱりそうか」
「これでね」
「もう敵の総大将は捕まえたな」
「案外楽にいったよ」
剛は微笑んだままこうも話した。
「宮廷に十二人で押し入ってね」
「そして戦ってもか」
「衛兵は多かったけれど」
「お前等の相手じゃなかったか」
「皆軽く吹き飛ばして」
そうしてというのだ。
「それでね」
「王様捕まえたんだな」
「玉座で強張っていて」
それでというのだ。
「そこを捕まえてね」
「そうしてか」
「捕まえて縛って」
「それでか」
「ここまで連れて来たけれど」
そうしたがというのだ。
「対空攻撃も古いものばかりで」
「何でもなかったか」
「それで突破して宮廷に押し入って」
「今言った通りにか」
「捕まえて来たよ、それでだけれど」
「ああ、敵の王様捕まえたんだ」
久志もそれならと言った。
「王様軍の前に出して」
「敵軍に言えばいいね」
「俺達の勝利そしてな」
それだけでなくというのだ。
「戦の終わりをな」
「そうだね、じゃあね」
「今から言うな」
こう言って実際にだった。
久志は王を自軍の前に出して自ら敵軍に自分達の王を捕らえたことそれにより自分達が勝ったことと戦が終わったことを告げた。これで戦は終わった。
戦が終わると久志は仲間達と共に軍勢を率いてペテルブルグに入城した、寒いが白い壁とオレンジの屋根青い運河で飾られた街は見事なもので。
彼はその中を満足して観てからだった。
宮殿仲間達が押し入ったそこに堂々と入城した、そしてだった。
玉座を前にして仲間達に話した。
「さて、これでな」
「この国との戦は終わり」
夕子が応えた。
「それで、ですね」
「この街も手に入ったな」
「左様ですね」
「しかしな」
久志は首を傾げさせてこうも言った。
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