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寄り添い合う子供と犬
第二章

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「触ってもこうしていても」
「嬉しいの」
「うん、そうなったから」
 だからだというのだ。
「こうしているの」
「そうなの」
「もう何かに触っても」
 それでもというのだ。
「前よりもずっと変に感じない」
「そうなったの?」
「うん」 
 こう言ってだった。
 カイノアはトルネードに寄り添い続けた、そしてだった。
 前よりも遥かに楽に日常生活を送れる様になった、トルネードの介護を受けたうえであるがそうなっていった。その我が子を見てシャナは夫に話した。
「トルネードが来てよかったわね」
「本当にな」 
 二人共涙を流している、そのうえでの言葉だった。
「よかったな」
「そうよね」
「今もあの子と一緒にいてくれて」
 我が子と、というのだ。
「全てが変わったわね」
「いい方にな」
「全てトルネードのお陰よ」
「そうだ、あの子が来てくれて」
「そうね、そして」
 それでというのだ。
「これからもね」
「カイノアと一緒にいてくれてな」
「あの子を助けてくれるわね」
「そう思うとあの子が来てくれてよかった」
「もうそれに尽きるわね」
「トルネードは私達にとって天使だ」
 夫は涙を流しながら話した。
「それ以外の何でもない」
「お仕事で日本に来て天使に会えるなんてね」
「思わなかったがな」
「トルネードはまさに天使ね」
「カイノアを救ってくれた」
 愛しい我が子をそうしてくれたというのだ。
「最高の天使だ」
「キリスト教が殆どない国で出会えた」
「そうしたな」
 夫婦で話した、そしてだった。
 二人は神に感謝しつつ我が子を部屋に呼び夕食を食べた、するとトルネードが彼を連れて来てくれt。カイノアは今も彼に触れて笑顔でいた。笑わなかった顔も今はそうなっていた。


寄り添い合う子供と犬   完


                   2021・1・29
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