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おぢばにおかえり
第六十二話 二人乗りその二十

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「すぐ慌てるしね」
「そうですか?」
「怠け者だし」
「そうは思えないですけれど」
「それに短気だし」
「ちょっと怒りっぽいところはありますね」
 最後のところは肯定してきました。
「確かに」
「そうした性格だから」
 それでというのです。
「私としてもね」
「癖性分はありますか」
「誰でもあってね」
「あの、先輩が怠け者とは」
 阿波野君は私のその癖性分について言ってきました。
「別に」
「思わないのね」
「何処がですか?」
 逆に、という言葉でした。
「先輩怠け者なんですか」
「自分で思うにはね」
「全然そうは思えないですが」
「そうなのね、阿波野君は」
「いつもいさんでますから」
「阿波野君にはそう見えても」
 実は、なのです。
「私は怠け者よ」
「そうですか」
「そしてお転婆なのよ」 
 このこともお話しました。
「実はね」
「女の人らしいですけれど」
「昔はそうだったのよ」
「本当にそうですか?」
「少なくとも私自身はそう思ってるわ」
「そうですか」
「ええ、あと昔はクラスの女の子では背が高い方だったの」
 私がこう言うとでした。
 阿波野君は笑って私にこう言いました。
「それは違いますね」
「そのことは否定するの」
「先輩の勘違いです」
 こんなことを言ってきました。
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