第三章
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「タイタスと一緒に暮らせる、それも庭付きの」
「それはいいですね」
「ではこれからは庭でもですね」
「タイタスと暮らせますね」
「それが出来ますね」
「はい、またです」
笑顔はそのままだった。
「暮らせます」
「それは何よりです」
「では今からですね」
「この子を」
「これまで有り難うございました」
施設の人達に礼も述べた。
「タイタスを預かってくれて」
「いえ、当然のことです」
「それよりもそれだけタイタスを大切に思ってくれるとは」
「我々も嬉しいです」
「家族ですから」
理由は一つだった。
「ですから」
「だからですか」
「それで、ですか」
「はい」
それ故にというのだ。
「当然のことです」
「そうですか」
「ではですね」
「これからもですね」
「タイタスと一緒に暮らして」
「そうしてですね」
「幸せでいます、しかし」
ここでルイスはこんなことを言った。
「まさか急にです」
「ええ、住んでいたところがペット不可になるとか」
「難儀なことですね」
「それは」
「一緒に住めるからです」
だからだというのだ。
「入ったのに」
「それが急にそうなるとか」
「ちょっとおかしいですよね」
「契約違反じゃないですか?」
「後で変えるなんて」
「そんなことは」
「全くです、そうなるなんて」
それこそというのだ。
「正直参りました」
「そうですよね、不誠実といいますか」
「そんなことする管理人がいるなんて」
「嫌なものですね」
「ええ、もう二度とです」
こんなことはというのだ。
「あって欲しくないです」
「全くですよね」
「もうそんなことは」
「絶対に」
施設の人達も同意だった。
「後になって言いだしたり変えたり」
「おかしなことですよ」
「ですがそれを乗り越えて」
「また一緒に暮らせる様になってよかったですね」
「全くです、じゃあ行こうかタイタス」
「ワンッ」
タイタスは友の言葉に上機嫌だとすぐにわかる鳴き声で応えて彼についていった、気付けば四ヶ月経っていた。しかし彼等にとっての辛い時は終わりまた楽しい時がはじまった。誰もがそのことを喜んで見ていた。
四ヶ月を乗り越えて 完
2021・1・27
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