第五百九十九話 クールじゃないその四
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「それでな」
「食うものもか」
「塩分とか脂肪分の多いものばかりで」
この時代そうしたことはかなり考慮されているがあくまで程度の問題で食べ過ぎるとやはりよくないのだ。
「運動もしなくてな」
「漫画家さんにはそうした人いるな」
「それで二十三歳でな」
「どうなったんだ」
「脳梗塞で倒れて七ヶ月休筆した」
この時代ではそれだけで全快出来る、あくまで個人の程度によるが。
「そうなった」
「それで俺達もか」
「ああ、出来るだけな」
「食生活には気をつけてか」
「いかないとな」
「倒れるか」
「だからそのサラミの食い方はな」
塩をどっさりと乗せたそれはというのだ。
「あまりしないことだな」
「本当にそうだな」
洪童自身もまた頷いた。
「これは確実にやばい食い方だからな」
「上杉謙信さんになるぞ」
この人物の様にというのだ。
「毎日夜は、だったからな」
「大酒飲んでいたんだな」
「ああ、しかしお前も謙信さん知ってるか」
「有名だからな」
謙信の酒好きはこの時代でも語り継がれている、陣中ですら酒を欠かさず馬上でも飲める様な杯を造っていた程だからだ。
「あの人は」
「連合全体でか」
「滅茶苦茶強くて正義感が強くて清廉潔白でな」
「恰好いいな」
「それで俺も知ってるさ、あと結婚もな」
「しなかったんだよ、信仰の関係で」
毘沙門天を信仰していてだ。
「そうだったんだよ」
「そうだったな」
「そしてな」
それでというのだ。
「男色家でもあってな」
「日本じゃその頃から普通だったな」
「その前からな」
平安時代では男同士の恋愛のもつれから政争に至ったこともあるという、他にもそのことを日記に書いた公卿もいた。
「そうだったよ」
「それで謙信さんもか」
「そっちを普通にな」
「嗜んでいたな」
「そのことでも有名だしな」
洪童は語った。
「織田信長さんや武田信玄さんもだったな」
「そうだよ、それであの人酒をな」
「毎日かなり飲んでか」
「肴がお塩とかお味噌とか梅干しでな」
どれも塩分の高いものばかりである。
「それでな」
「死んだんだったな」
「脳梗塞か脳卒中でな」
雪隠つまりトイレで倒れたという、冬のことであるという。
「そうなったらしいな」
「そうなんだな」
「そうなりかねないからな」
「あまりしないことだな」
「健康を考えるとな」
ダンは話した。
「止めた方がいい」
「そうか、しかしな」
「どうした」
「いや、謙信さん出家していたな」
洪童はこのことを指摘した。
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