第一章
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自閉症を癒してくれる猫
イギリスの少女アイリス=グレスチャンは自閉症だった、他の娘達と違い感情を表に出せず塞ぎ込んでいた。
「百人に一人の割合で」
「自閉症の子はいますか」
「そうなんですね」
「はい」
医師は彼女の両親に話した。
「そうです、発達障害等と同じで」
「あることであり」
「それで、ですか」
「問題はそれを否定せず」
自閉症であることをというのだ。
「どう向かい合うかです」
「そのことが大事ですね」
「向かい合うことが」
「では悲しんだり絶望することなく」
「これからどうするかですね」
「はい」
まさにというのだ。
「そのことが大事です」
「左様ですか」
「それではですね」
「あの娘は慎重に接して育てていく」
「そうすべきですね」
「そうです、何かあればこちらに来て下さい」
医師は二人に親身な声で応えた。
「そうしてです」
「お話していいですか」
「相談しても」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「何時でもです」
「わかりました、ではです」
「そうさせてもらいます」
二人は藁にもすがる思いで医師に答えた、そうしてだった。
二人は娘のアイリス、金髪をボブにした整った顔立ちの少女を育てていった。だがアイリスはいつも塞ぎ込んだ顔のままで。
喋ることも稀だった、治療は進んでいるとはお世辞にも言えなかった。そんな中医師は二人に提案した。
「生きものを飼われてはどうでしょうか」
「ペットですか」
「それをですか」
「そしてアイリスちゃんの傍に置けば」
家族としてそうすればというのだ。
「かなり違うのでは」
「アニマルヒーリングですか」
「それをやってみるのですね」
「はい、そして」
医師は二人にさらに話した。
「友達がいつもいますと」
「それだけで違うので」
「だからですか」
「そうされてはどうでしょうか」
「そうですね、では」
「そうしてみます」
二人は医師の言葉に頷いた、そうしてだった。
家に一匹の猫銀と黒の長いトラ毛の雌猫を家に迎えた。猫の名前はスーラと名付けられアイリスの傍に来た。
「ニャ〜〜〜ン」
「・・・・・・・・・」
アイリスはスーラをちらりと見たがすぐに俯いた、ずっとじっとしていたが。
スーラはそのアイリスの傍にずっといた、丸くなったり寝たりしながらだったがずっと彼女の傍にいた。
すると次第にだった。
アイリスはスーラを見る様になって少しずつ声をかける様になった。スーラが何かすると反応する様になった。
そしてだ、やがて。
「お母さん、私絵を描きたいの」
「絵を?」
「スーラの絵描きたいの」
こう言うのだった。
「そうしていい?」
「え、
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