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歪んだ世界の中で
第五話 少しずつその六
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 こう話してだった。二人でだった。
 彼等はだ。映画館を出てだ。そうしてだった。
 千春がだ。こう希望に言ってきたのだった。
「幸せはね。これで終わりじゃないよね」
「そうだね。まだ幸せだよね」
「幸せって続くから」
「僕幸せはすぐに終わると思ってたんだ」
 これもだ。今までの考えである。
「それで辛いことばかりだって思ってたんだ」
「やっぱり。周りがそうだから」
「うん、そうだったんだ」
 どうしてもだった。失恋してからのことを思い出してだ。
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