第四章
[8]前話
「そうだったな」
「もうちやほやしてたな」
「それが急に連れて来なくなったんだ」
「誰だって不思議に思うな」
「そして馬鹿で思いやりもないからな」
「誰かが聞いてそのまま答えるってか」
「わかっていた、そうしたらああなることもな」
このこともというのだ。
「わかっていたんだ」
「そうだったんだな」
「ああ、馬鹿は普通に自分がしたことを言うんだ」
「自覚ないからか」
「自分達が何をしたかわかってないからな」
それ故にというのだ。
「俺にはわかっていたんだ」
「成程な」
「もうあいつ等は親戚付き合いは出来なくなった、しかし反省なんてするか」
父は確信して言った。
「同じことを繰り返すさ」
「馬鹿だからか」
「そうだ、その時に完全に終わる」
未来が既にわかっている言葉だった。
そうした話をしながら駐車場から玄関に向かい家の敷地に入り。
家の中に入った、するとそこには。
「ワン・・・・・・」
「ふわり、帰ったぞ」
文太はまだ家族に捨てられるのかと不安を感じながら迎えてきたふわりに挨拶をした。
「散歩だからな」
「ワン」
「不安に思うことなんてないからな」
父はふわりにこうも言った。
「俺達はあいつ等と違う、間違ってもおもちゃとは思わないからな」
「そうよ、私達はそんなことしないわよ」
母もふわりに言った。
「何があっても」
「言っても信じられないだろうがな、あいつ等もこう言っていただろうからな」
このことは想像がついた。
「後は行動を見せる」
「そうすることね」
「それが一番だからあん」
「そうだな、じゃあ散歩に行って来るな」
息子が言ってだった、ふわりを早速散歩に連れて行った。ふわりは昨日より彼に懐いていて帰って来た時は散歩に行く前よりも上機嫌だった。一家でそんなふわりを見てずっと一緒にいようとあらためて思った。
愚か者は自白する 完
2021・1・26
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