第三章
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「そうなんだな」
「遊んでいたんだ」
「それだけか」
「ふわりをおもちゃとしてか」
「あいつ等は昔からそうだった」
「飽きっぽいとか言ってたな」
「一見普通に見えるがな」
その実はというのだ。
「とんでもなく身勝手で冷血で考えがなくて無責任で反省もしなくてな」
「自分以外の命はなんだな」
「何とも思っていないんだ」
「そんな連中だったんだな」
「だからふわりは捨てられるって言ったな」
彼女が可愛がられていた時にというのだ。
「そう言ったな」
「ああ、あの時はそんな筈ないって思っていたけれどな」
「今は違うな」
「俺もうあいつ等とは付き合わないからな」
洋介は言い切った。
「何があっても」
「そうしろ、あんな屑共とはな」
「私もそうするわ」
母も言った。
「あの人達とはね」
「そうしろ、それでふわりはな」
身勝手な者達から彼女に話を移した。
「家族だ」
「ずっとだよな」
「何があってもな、いいな」
「あいつ等とは違ってか」
「俺と母さんの娘でな」
そうしてというのだ。
「お前の妹だ」
「そうなったな」
「ああ、しかしな」
ここでだ、そのふわりを見て言った。
「随分落ち込んでるな」
「そりゃそうだよな、家族に捨てられただからな」
洋介もふわりを見た、見れば。
ふたりは部屋の隅でずっと蹲っている、完全に塞ぎ込んでいて家族に近寄ろうともしない。
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
「とんでもなく寒くて薄暗い保健所に何日もいてあいつ等を呼んでもな」
「来なくてか」
「裏切られて捨てられたんだ」
そうなったからだというのだ。
「こうなっても当然だ」
「そうだよな」
洋介もここまで聞いて頷いた。
「考えてみたら」
「ああ、しかしな」
「俺達はだよな」
「あいつ等とは違う本物の家族として迎えてな」
そうしてというのだ。
「一緒に暮らすぞ」
「おもちゃじゃないな」
「絶対にな、犬はおもちゃじゃないんだよ」
絶対にという言葉だった。
「命があって心もあるんだ」
「そうだよな」
「だからな」
それでというのだ。
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