第二章
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「絶対にな」
「散歩もだよな」
「運動不足とずっとケージの中にいてな」
「ストレス溜まるな」
「それだけで駄目だな」
「ああ、人間でもずっと閉じ込められていたらな」
どうなるか、洋介は言った。
「嫌になるしな」
「散歩もなしでそれで無視されていたんだ」
「呼び掛けていたんだろうな、自分はここだって」
洋介はここでふわりが何故鳴いていたかわかった。
「そうだったんだな」
「多分な、しかしな」
「あの人達はずっと無視してか」
「子供ばかり見て可愛がってな」
「それまで可愛がっていたふわりは無視してか」
「遂に捨てたんだ、ふわりのおもちゃとかもな」
「全部捨てたんだな」
「それは持ってきた、だがふわりを閉じ込めていたケージはな」
どうしていたか、父は話した。
「二人の家のガレージに投げ捨ててやった」
「それはか」
「犬はケージもいるけれどな」
犬は元々狼で穴を掘ってそこを家にしていた、だからケージの様な狭い場所にいても苦にならないのだ。もっともそれが一日中なぞ論外だが。
「腹が立ったからな」
「ふわりを閉じ込めていたからか」
「そうだ、だからな」
それでというのだ。
「それだけはな」
「捨てたんだな」
「けれどふわりちゃんの服やおもちゃをすぐに捨てるなんて」
保健所に捨ててとだ、母は話した。
「もう完全にいらないと思っていたのね」
「そうだな」
「最低ね」
「最低というかな」
洋介は今にも二人の家に殴り込まんばかりに怒っていた、だがその感情を理性で抑えながら言った。
「生きものの命何と思ってるんだ」
「おもちゃなんだよ」
父が息子に答えた。
「連中にとっちゃな」
「ふわりはか」
「そうだ、それでな」
「自分達の子供もか」
「自分達が遊ぶな」
そうしたというのだ。
「おもちゃなんだよ」
「じゃあ可愛がってたんじゃないんだな」
洋介はふわりを見て父に問うた。
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