第一章
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犬はおもちゃじゃない
国崎家に保健所に捨てられたトイプードルの女の子ふわりが来た、洋介は仕事から帰って家でふわりを見て母の由里子に言った。
「今日なんだな」
「ええ、お父さんが仕事休んで飛んで行ってね」
そうしてとだ、母は話した。
「保健所から引き取ったのよ」
「あの人達本当にふわりを保健所に捨ててたんだな」
「そうだ」
父の文太が怒った顔で息子に話した。
「保健所の人が言うには性格が変わって朝から晩まで吠えて子供が生まれたばかりで奥さんが参ってと言ってな」
「それでかよ」
「もういらないって言ってな」
そしてというのだ。
「保健所に捨てたんだよ」
「もういらないって何だよ」
洋介は怒った声で言った。
「家族なんだろ」
「自分達の娘って言ってたな」
「娘をいらないかよ」
「本当に言ったらしい」
「毎日あんなに可愛い可愛いって可愛がっていたのにな」
「私もそれ見たわよ」
母も言ってきた。
「二人がふわりちゃん物凄く可愛がっていたのをね」
「奇麗で可愛い服を着せてな」
「リボンも付けてね」
「毎日散歩にも連れて行って」
「高いドッグフードやミルクもあげて」
「そんなのだったのにな」
洋介は眉を怒らせて言った。
「保健所に捨てたんだな」
「保健所に捨てたら」
どうなるかとだ、母は話した。
「もうね」
「ああ、殺処分だよな」
「引き取る人がいないとね」
「新しい飼い主かボランティアの人がいないと」
「ガス室でね」
「死んでもいいから保健所に捨てたんだよな」
自分で話すその言葉に怒ってだ、洋介は言った。
「ふわりを」
「どう考えてもそうね」
「娘なんて言ってたのにな」
「奥さん臨月になったらふわりちゃんお散歩に連れて行かなくなって」
「旦那さんが行けばよかっただろ」
洋介は指摘した。
「それなら」
「それもしなかったのね」
「犬の散歩は絶対だろ」
「それだ、あいつ等は赤ちゃんが出来たらだ」
父は一番怒っていた、その声での発言だった。
「家に迎えたその日にな」
「もうかよ」
「ふわりをケージに入れてな」
そしてというのだ。
「一日中だ」
「ずっと入れたままだったんだな」
「それで鳴いてもな」
「ずっと無視してたな」
「そこから出さないでな」
ケージの中からというのだ。
「当然散歩も部屋の中を歩くのもな」
「させなかったんだな」
「餌もな」
もうご飯でなくというのだ。
「一日一回どさっと一番安いドッグフードと水を皿に入れてな」
「終わりか」
「それで後は散歩にも行かないで見向きもしなかったんだ」
「それで幾ら鳴いても無視か」
「五月蠅いと怒ってな」
「散歩も連れて行かず
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