四十四 視界不良戦線
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イズモの【水遁・水飴拿原】の粘度の高い水。それを巻き込んだ上での水球だ。
更に、【水遁・水龍弾の術】の水龍が角都によって粉砕されるのも計算の内。
よって、水龍にも紛れ込ませていた【水遁・水飴拿原】の粘度の高い水を浴びていたので、角都は動きが鈍くなっていたのだ。
二重三重もの罠が仕掛けられていたのか、と歯噛みしたところで、もう遅い。
水の球体に囚われた角都は「……少し、舐めすぎていたか…」と反省した。
その背中がボコリ、と盛り上がる。
お面のようなモノがひとつ、垣間見えた。
「角都の奴、つかまってやんの。だっせェ〜」
血で円陣を新たに描き終わった飛段は、水牢に囚われの身となった角都を認めて、からかい雑じりの笑みを浮かべた。
直後、周囲を取り巻く煙に顔を顰める。
ただでさえ、霧で視界が不明慮なのに、纏わりつく煙草のような煙に、飛段は自身の得物である鎌を構えた。
ひゅっと口から煙を吐き出したアスマが印を結ぶ。
「【火遁・灰積焼】!!」
チャクラを変化させた火薬を含んだ煙が周囲一帯に吹き荒れる。
火薬の舞うエリアの中、あらかじめ仕込んでおいた奥歯の火打石を、アスマはガチっと鳴らした。
着火。
ぼうんっと爆発が巻き起こる。煙が立ち込める中、アスマは更に足を踏み入れた。
この機を逃すわけにはいかない。
爆発に巻き込まれた飛段のトドメを刺そうと一気に迫る。
風のチャクラを込めたチャクラ刀。鋭く尖った刃が、飛段の首を斬り落とそうと迫る。
同時に、三刃の大鎌を飛段は振り翳した。
「なにを遊んでいる」
「ガハ…!?」
刹那、アスマの身体が吹っ飛ぶ。
爆発の煙を通り越し、霧の彼方まで吹き飛んだ師を見て、シカマルが眼を見張った。
「アスマ…!!」
だが、それよりも眼を大きく見開いた飛段は、自分の鎌をいつの間にか手にしている存在を凝視している。
三刃の大鎌をひゅんっと軽く手のひらでもてあそぶ。
目深に被ったフードからは微塵も顔が窺えなかったが、久方ぶりの再会に飛段は喜色満面の笑みを浮かべた。
「邪神様ぁ!!」
アスマと飛段の間に割って入ってきた人物。
三刃の大鎌を軽々と回して、ナルトはフードの影から蒼い双眸を鋭く覗かせた。
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