四十四 視界不良戦線
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、角都は益々警戒心を抱いた。
ゲホゲホ、と首が解放されて咳き込むイズモとコテツを背景に、再不斬は呆れ顔を浮かべる。
「よく言うぜ。相性最悪じゃねぇか」
水遁は土遁に弱い。優劣関係は土に軍配が上がる。
水遁を主に扱う再不斬にとっては苦手なタイプだ。
「ならば降参するかね?」
「冗談」
角都の軽口に軽口で返して、再不斬は素早く印を結んだ。
「【水遁・水龍弾の術】!!」
寸前、相性が悪いと言ったばかりなのに水遁の術を使った再不斬に、角都は嘆息する。
龍を象った水が敵を喰い殺さんと口を開いた。
噴きあがった水龍が押し寄せてくる。
炸裂した術の威力は凄まじく、イズモとコテツが流されかけた。
「く…そ…!!」
【影真似の術】で飛段の動きを抑えていたシカマルは苦悶の表情を浮かべた。
激しい戦闘の余波がこちらにも矛先を向けてくる。
水飛沫が顔にかかり、身体が水に流されるのを辛うじて踏ん張っていたシカマルは、肩を力強い手で叩かれた。
「もういい、シカマル。術を解け。お前の身がもたん」
「アスマ…」
自分のほうこそ大怪我を負っているのに気遣う師に、シカマルは唇を噛み締める。
チャクラ切れだ。もう限界だと見て取って、アスマはシカマルに促すと、チャクラ刀に風のチャクラを込める。
通常の刃よりも刃渡りの長さが伸びているソレを手に、アスマは飛段目掛けて駆け出した。
「随分粘ってくれたなぁ…仕切り直しだ」
シカマルの術が解けるや否や、飛段は後方へ跳躍する。
再不斬の水が届いていない場所まで移動すると、再び足元に円陣を描き始めた。
「馬鹿の一つ覚えか」
【水遁・水龍弾の術】を【土遁・土矛】で粉砕する。口を開けて迫りくる水龍を、角都は思いっきり殴りつけた。
滝の如き豪雨が降り注ぐ。
破られた龍の雨をその身に受ける角都目掛けて、白刃が煌めいた。
「つまらん。鬼人と言えどその程度か」
「言ってくれるじゃねェか…!」
横薙ぎで襲い来るクナイを止める。腕の合間から伸ばされた黒の繊維状の触手が、刃を押しとどめていた。
【水遁・水龍弾の術】に注意を向けさせた上での不意打ちにも上手く対処した角都に、再不斬は獰猛な笑みを浮かべる。ギラギラとした獣の如き瞳が殺意を以って、角都を真っすぐに射抜いていた。
刹那、長年の経験が角都を動かす。
無意識に傾いた身体のすぐ横を、太刀が凄まじい勢いで振り落とされた。
「チィ…これをかわすか」
角都の背後で苦々しげに舌打ちする。
直後、触手で止めていたほうの再不斬が、バシ
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