四十四 視界不良戦線
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し潰されかけたイズモとコテツが慌てて、アスマの許へ向かおうとするものの、水に阻まれて動けない。
シカマルも自身も流されそうになるも、必死で印を結び続ける。
シカマルの術で動けない飛段が、足元の血で描かれた陣が水で消えたのを見て、焦った声を上げた。
「おいおい!勘弁してくれよ!!角都!!」
「うるさい。黙っていろ」
飛段の非難染みた大声を無視して、角都は冷静に身構える。
初っ端から大技を仕掛けた再不斬から目を離さず、もはや湖と化したその場で戦闘態勢を取る。
(水もないところでよくもまぁこれほどの水を…)
水上に佇んでいる再不斬を見据える。かと思えば、その姿がブレた。嫌な予感がして、すぐさま振り返る。一瞬で背後に回った再不斬が首切り包丁を振るった。
「チィ…ッ、」
振り向き様に腕を振るう。首切り包丁が角都の腕を斬り落とした。
が、血が出ない。
直後、切り離された腕がまるで意志を持つかのように再不斬へ襲い掛かった。
「おっと」
分離した腕から逃れ、水上を滑るようにして距離を取った再不斬は「ほう?」と口許を覆う包帯の下で物珍しげに呟く。
「随分とまぁ、愉快な術を使うじゃねぇか」
切り離した腕から伸びる黒い繊維状の触手。
確かに斬られたはずなのに動く腕を目の当たりにして驚く木ノ葉の忍び達に反し、再不斬は愉しげに口角を吊り上げた。
滝隠れの秘術──【秘術・地怨虞】。
黒い繊維状の触手を操ることで身体の一部を切り離したり、或いは切り離された身体を繋げたりなどといった変形・分割・再結合できるという非常に凡用性が高い術だ。
黒い繊維状の触手。
それを操り、切り離した腕を飛ばしてくる角都。腕を振り払った再不斬だが、腕から伸びた触手が手足に纏まりついてくる。
縛り上げようとしてくるソレらを「まったく。鬱陶しいな」と再不斬は首切り包丁で一掃した。
戻ってきた自分の腕を元通りに縫い付けると、角都はコキ、と首を鳴らす。
「やはり鬼人と呼ばれるだけはある…木ノ葉のように上手くいかせてはもらえないな」
「俺らを甘く見るんじゃねぇよ!!イズモ!!」
「わかってる!!」
蚊帳の外だったイズモが印を結び、同時にコテツが巻物を取り出す。
直後、現れた鎖のついた大きな槌を構えると、水上を駆けだした。
コテツが投げてきた鳥のような形をした槌を迎撃せんと触手を伸ばした角都は、空中で変形して翼を生やしたソレに眼を瞬かせる。
繊維状の触手をかわし、角都目掛けて飛び掛かった鳥型の槌が角都もろとも地面を割った。
「やったか…っ」
「馬鹿野郎!!気を緩めるんじゃねぇ!!」
濛々と立ち込める煙にガッツポーズを取ったコテツとイズモに、再不斬の叱責が飛
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