120 混乱する政府
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ここは平和を正義とする世界。現世にて平和の為に活動していた、あるいは人の為に活動していた人間が辿り着く場所である。そこに暮らす人間は本来ならば穏やかに暮らしているはずなのだが、この世界には戦争を正義とする世界が縄張りを奪おうとし、平和主義であるにも拘らず武器を持って戦うという異常事態になっていた。そこに清水の次郎長は子分の大政・小政らと共に戦争を正義とする世界からの侵略者を追い払っていた。
「く、奴等の侵食が増え続けおる!」
「へい、我らの陣地も前より縮小している模様です!」
「く、だが、我々の戦いの疲労も既に限界を超えておる。一旦撤退しよう」
次郎長の兵団は引き下がった。現在次郎長はフローレンスとイマヌエルによって新しく建てられた屋敷を根城とさせて貰っていた。次郎長はそこで休む。
(はて、石松、お前は『向こうの世界』でよくやっているか・・・)
自身の部下の一人・森の石松の行動に関してはフローレンスとイマヌエルから間接に聞いてはいるものの、派遣させて以降、彼はこちらの世界にあまり戻っていない為、少し心配になっていた。また、秋の時にエレーヌという女性が援護に赴き、石松が赤軍によって召喚された敵にあと一歩で殺される所を彼女に助けられたと聞く。次郎長は少し眠りについた後、呼び出しの声が出た。この平和の世界を統治する女性の声だった。
『全ての者、これからの作戦会議を行います。本部においでになられてください』
「作戦会議・・・。一体どのような事か!?」
次郎長は子分らと共に本部へと向かった。
こちら内閣総理大臣官邸。現在首相を務める三木武夫は日本各地で異世界の人間だの赤軍だのが国内で暴動を起こしている様に頭を悩ませていた。何しろ前総裁の田中角栄が日本列島改造論を打ち出したものの、その結果が単なる物価の上昇のみのうえ、オイルショックの影響もあり、金権政治として世間の評価を下げられて辞任した事でつい去年12月より自身が総理になったのである。そして元旦から数日が過ぎ・・・。
「総理!赤軍から年賀状なるものが届きました!」
副総理兼経済企画庁長官から急遽呼び出された。
「赤軍からの年賀状だと!?」
三木首相は半信半疑で驚いた。年賀状は通常の年賀はがきではなく、封筒で届いた。副総理から受け取ると首相は危険な登山をするわけでもないのに恐る恐る封を切った。
迎春
三木武夫総理大臣および三木内閣官僚の皆様
この度我々日本赤軍は昨年は今の腐れ果てた日本国を再建すべく異世界の人間と協力して動いております。大日本帝国を復活させる為に我々に協力していただきたい事がございます。以下をご覧ください。
・異世界の道具とされている杖、護符、杯をこちらに集め、我々赤軍の元へ集めてください。杖は静岡県清水市在住の山田かよ子とい
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