暁 〜小説投稿サイト〜
幻の月は空に輝く
フラグは回収される為にあるらしい
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しをしたのは記憶に新しすぎる。ここでまさかのサスケフラグか!?と思ったから尚更だ。
 でも、まさか今日イタチから声がかかるとは思わなかったと思えば、どうやらそれが表に出ていたらしい。
「奇襲をかけないと、ランは逃げそうだからな」
「…奇襲……流石に、逃げないよ」
 別にいいって言ったのは私だし。
「そうか」
 そう言ってまた私の頭を撫でるイタチ。丁度いい位置に私の頭があるからか。それとも撫でやすそうな髪質をしているからなのか。
 うん。母さんに似た私の髪質はサラサラですよ。イタチやサスケは硬そうだけどね。見た目。だから撫でたくなる気持ちは解らなくはないけどね。
 私だってテンちゃんを撫でまくるし。ふわふわーのもふもふーな感触が病みつきになってるし。ひょっとしたらイタチにとって私の頭はそうなんだろうかと半ば本気で悩みながら、
「待ってて下さい。片付けます」
 会う覚悟を決めたであろう私の言葉に、イタチは満足そうに頷く。
 なんだろう。このフレンドリーな感じ。サスケに対してはクール系な兄ちゃん。実際は家族愛というより弟愛が凄まじい人だったんだけど、最期まで表に出すようなタイプじゃなかった。それなのに、この年下を猫かわいがりしているような撫で方や、弧を描く目元はなんでしょか。
 流石に片付けは私しか分からないから手伝わなかったけど、イタチは準備を終えた私の頭をもう一回撫でた。
 …結局撫でたいだけか。
 とりあえず気にしたら何かが負けると、私は母さんに声を掛けてからイタチの横に並ぶように歩いた。
 コンパスの違いで、どうしても私が遅れるんだけどね。けれどイタチは私に合わせてくれてる。瞬身を使ってもいいけど、それでもやっぱりイタチよりは遅い。
 あぁぁあああ。中途半端!
 もっとバビュンとかっこよく出来ないのかな。
 ひょっとしたら私は通行人Aじゃなくて、CやDの微妙な立ち位置なのかもしれない。となるとバビュンと颯爽と移動する事には限度があるかと、折角NARUTOの世界に来たのにと密かにガックリと肩を落とした。

 しかし、いつまでもへこんでいた所で通行人DがCに昇格するわけがない。さっさと立ち直ってみたけど、会話がない。
 この沈黙の突破口は何処だ?
 二十何年間生きていた話術をここで発揮させろよと?
 いや、無理無理。イタチに何を話せば話しが弾むのかがわからない。
 先ほどから私の頭の中だけで行われている脳内会議。終盤に差し掛かってみた所で解決策は生まれてこない。はっはっは。ここは無意味に笑っておこう。笑顔は最強だ。穏やかな笑顔を浮かべて場を和ませておけば全てが上手くいくはずだ!
 思考回路が変な方向にいっているような気もするが、あまりに気まずすぎて軌道修正する余裕もない。
 多少。いや、かなりぎこちなく手足を
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