第二章
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舌打ちして踵を返した、この日は休日だったので学校はなかったが学校でいつもその不良そのものの外見から自分に言い掛かりをつけてくる教師達のことを思い出した。
そうして自分に居場所がないことを実感して余計に嫌な気持ちになったが。
その彼女の前に一匹の黒猫が来た、子猫でないがやけに小さくそして痩せていた。
その猫を見るとかなり傷付いていた、真紀はその猫に自分と同じく孤独で居場所がないものを見たと思った。それでだった。
無意識のうちに猫を拾って叔母の家に戻って言った。
「叔母さん、ちょっといい?」
「また家追い出されたの?」
「ああ、ここに行けって言われたよ」
「相変わらずね、けれど」
叔母はここで真紀が抱いている猫を見て言った。
「その子どうしたの?」
「さっき拾ったんだけれどさ」
「そうなの」
「見たらかなり傷付いてるし」
「そうね、病院に連れて行った方がいいわね」
「今日休日だろ」
「近くに休日でもやってる動物病院あるから」
それでというのだ。
「そこに行きましょう」
「そうしていいか?」
「いいわ、大切な命だから」
猫を見ながらこう言ってだった。
叔母は車を出して真紀と猫を乗せて動物病院に向かった、そうして猫を診てもらうと診た獣医はこう答えた。
「傷は幾つかありますがばい菌は入っていないので」
「大丈夫ですか」
「栄養失調もありますが」
それでもというのだ。
「ちゃんと食べればです」
「助かりますか」
「はい」
真紀に笑顔で答えた。
「命に別状はありません」
「そうですか、よかったです」
「はい、ですがこの子野良猫ですね」
「さっき拾いました」
「そうですね、首輪がなくてここまで痩せていますと」
それならというのだ。
「そう思いましたが」
「そうみたいです」
「では今助かっても」
「うちで飼います」
叔母がすぐに言ってきた。
「そうします」
「そうしてくれますか」
「はい、退院したら」
その猫がというのだ。
「うちで引き取って」
「そうしてですか」
「家族にします」
獣医に約束した。
「そうします」
「そうしてくれますか」
「はい」
獣医に答えた。
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