ターン38 パラダイムシフト
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ンタも、そういうところは本当そっくりだよ」
口ではそう言いつつも、表情の方はくすくすと小さく笑う。気が付けば、足の震えは止まってた。
「……なるほどねえ、糸巻の。彼が、この13年間で得たもののひとつかい?」
「まあな。情けない話だが、タイマンでアンタに勝てるとはアタシも思わねえよ。だから、使えるもんは使わせてもらう。行くぜ、鳥居。ヘマすんじゃねえぞ」
行けるか?ではなく、行くぞ。いまだ鳥居は先ほどのデュエルのダメージが抜けきれていないことは、糸巻もよく承知している。だがそれでもなおその言葉は勧誘や要請ではなくぶっきらぼうで彼女らしい、鼓舞だった。わかっているのだ、彼もまた彼女と同じ気持ちでここに立っていると。そしてこの場で栄光の過去ではなく傷だらけの未来を掴むため、堂々と戦うことを選んでみせると。
だから鳥居もまた、その無条件の信頼に応えてみせる。なんのかんのと減らず口を叩こうと、たとえ一時は心離れていても、それでも彼らはパートナーだった。
「『さあさあそれではお立会い、今宵の舞台は世界を救う大公演!この戦場に立ち残るものが、世界の行方を左右する!大スペクタクルエンターテイメント、これより開演のお時間です!』」
「……已むをえまい。なに、痛いのはほんの1瞬さね」
短時間に2人もの反対を受け、さすがに悲しげな眼をしてデュエルディスクを構える。しかし老人に、ここで退くなどという選択肢は残されていない。世界をあるべき姿に戻すため、よりよい未来を掴み直すため。これこそが、その唯一の道だと信じて。
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