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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン38 パラダイムシフト
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、そこで悪戯をした子供を叱りつけるような目つきでじろりと睨みつけられたため、続く煽りの言葉は口の中で消えていった。やはり、この老人には頭が上がらない。

「さあ糸巻の、それに巴の。話は終わりだ、アンタらはそこの若いのや途中で倒れてる奴らを連れて、もしものことが起きる前にここを抜け出しな」
「おいちょっと待て爺さん、アンタはどうする気なんだ?」
「私かい?ひひっ、私はここで、次の大爆発をどうにか抑えられないか試してみるよ。なに、最悪の場合でも私だけならどうにかする手はあるから待ってなくていいからね」
「な……!」
「さあ、行った行った。機械も碌にいじれない脳筋と、いっぱしの技術者面してるくせに自爆寸前まで不調に気づかないようなのに残られてもやらせられることはないよ」





「……結局、これで終わりなんすかね」
「そうあって欲しいもんだ。そら、無駄口叩いてると舌噛むぞ」

 不規則に電灯がついたり消えたりする階段を鳥居と清明、そして糸巻の手首から延びる手錠に繋がれた巴が駆け降りる。それぞれの背にはいまだ気を失ったままの巴がここに配置していたデュエリストたちがおぶされているためスピード自体はあまり出ているとは言い難いが、それでも懸命に足を動かしていた。
 彼女たちの目的地は無論、糸巻がここに乗り込んできた際に使用したモーターボートである。爆発の規模はまるで読めず、一番このプラントの構造に詳しい巴は先ほどの指摘が、というよりもむしろそんな事態に気づくことができなかったことがよほど堪えたのか、いつもの嫌味な饒舌さも影をひそめて黙ったまま足を動かしているだけで話を聞こうにも頼りになりそうにもない。
 その巴が、久方ぶりにぽつりとつぶやいた。

「……やはり、おかしい」
「あー?いきなり喋るんじゃねえ、アンタの声聞いてると耳が腐る」
「誘爆はまあいいでしょう、確かにコザッキーの自爆装置の実体化の影響で多少の被害が出ること自体はあり得なくもない。だが、融解?オーバーヒート?そんな事態が起きていて、この私が気づかないうちにそこまで進行していた?どう考えても不自然すぎる」
「よーやく口開いたかと思えば自己保身か?言い訳なら独房の壁にやってくれ、気が済むまでな」

 そう切り捨てて先を急ぎながらも、鳥居の目は糸巻の表情が一瞬だけ揺らいだことを見逃さなかった。
 彼女は知っている。この男は、こんな場面で無意味な保身に走るような性格ではない。だが、それを聞き入れるということはすなわち、七宝寺の言葉とその判断に異を唱えるということだ。あの爺さんが判断を間違えるなどとはもっと考えづらい、そう感じるだけの信頼と信用の積み重ねがあの老人にはあった。

「……行くぞ」

 だから一抹の不安を感じつつも、結局はまた前に進もうとする。そ
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