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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギア無印編
魔法使いの帰省・透の場合
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。さ、透」
クリスに促され、透が航の前に姿を現した。航の記憶にあるよりも成長し、大きくなった姿の透。まだ幼さを残しつつ、同時に大人に近づきつつある息子の姿に航は目を見開き、唇を震わせた。
「と、透? 本当に、透なのか……?」
航の問い掛けに、透は目に涙を浮かべながら笑みを浮かべて頷いた。その笑みは、航の記憶の中にある子供の頃の透の浮かべる笑みと瓜二つで。
次の瞬間、航は門を開けると透を思いっきり抱き締めた。目からは止め処なく涙を流し、8年ぶりに抱きしめる我が子の感覚に息子の生存を漸く実感した。
「透! 透ぅ! あ、あぁ……よく……よく生きて────!」
8年ぶりの父からの抱擁に、透も涙を流しながら応えた。
その光景をクリスは、羨ましさを感じつつも目尻に涙を浮かべて2人の再会を祝っていた。
***
その後、落ち着いた航は2人を家の中に招き入れた。流石に何時までも門の所で立ち話と言う訳にもいかない。
航に連れられて入ったリビングは、2人の記憶の中にあるままの光景だった。まるで時間が止まったかのようである。
リビングのソファーに座り出された茶で一息ついたところで、航はずっと気になっていた事を2人に訊ねた。
「ところで透、一体お前の身に何があったんだ? あまり言いたくはないが、あれから私の元に入ってきたのは透が死んだと言う情報だけだった。それにクリスちゃんも、二年前に帰国したと思ったらすぐに失踪してしまって……」
「航おじさん…………実は────」
クリスは全てを包み隠さず話した。武装組織に捕虜となった後の事、透の喉が切り裂かれてしまった事、透が魔法使いになった事、クリスとフィーネ絡みの事……全てだ。彼にはそれを知る権利がある。我が子の事なのだから。
最初その話を聞いて、航は信じられないと言った様子だった。あまりにも突拍子が無い話なのだから当然だ。
だが透が首元のマフラーを外して傷跡を見せたり、実際に魔法を使ってみせると信じない訳にはいかなくなっていた。
そうなると当然、話は彼が二課に所属した事に移る。
「透……お前はそれで良いのか? お前はもう十分い辛い目に遭ったじゃないか? それなのに、政府の組織に所属して戦うだなんて……クリスちゃんもそうだ。幾ら2人が戦う力を持っているからと言って、それで2人が戦う必要が何処にある? 2人はまだ子供じゃないか」
航としては、まだ子供である透とクリスが危険に身を置く道理が理解出来なかった。2人はまだ大人の庇護を受けるべき子供である。
2人がシンフォギアに魔法使いと言う、安易に明かす事が出来ない機密を扱っている事は分かる。外国からの干渉を避ける為に日本の組織に所属してその庇
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