天使とラブソングを……?(第10幕)
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して学校サボった』って事?」
「違うわよ。陛下から曲を頂いちゃってテンション爆上げになり、バイト先の店で20〜30分練習のつもりが、気付けば2時間! 鍵締めの為に残ってた店員に謝罪しつつ帰宅後も興奮で眠れず、気持ちを落ち着かせる為に楽譜を何枚も書きまくってたら窓の外から太陽の光が……無理して学校に行っても寝不足でボロボロ状態。そんな姿を陛下にお目にかける訳にはいかないので、今日はサボる事に! 如何、理解できた?」
「理解出来ました。納得はしてないけど……」
はぁ……と溜息を吐いて楽譜に視線を移す。
解っていた事だが、それでも愕然とする。
多分1回か2回だろうが、聞いただけで楽譜まで起こせる彼女の能力と、この『春よ、来い』というタイトルの楽曲の素晴らしさに!
陛下とアイリーン……二人の天才に如何足掻いても辿り着けない凡人の存在……
「あ、魔道人員輸送車が来たわよ。アレに乗るんでしょ?」
「え……あ、うん」
はぁ……溜息しか出ない。
「ちょっと如何したの溜息ばかりして?」
バスに乗り後方の二人がけ席に並んで腰を下ろすと、アイリーンが問うてきた。
察して欲しい。
「二人が天才過ぎて、凡人は落ち込むしかないのよ」
「そんなことか。確かに私は音楽に関しては天才よ! そこは謙遜なんてしないわ。でもアンタだって私に無い才能があるじゃない。作詞作曲の才能が! 自分を凡人なんて卑下しない」
「ま、まぁ……確かに」
「それに目線を広く持ちなさいよ。確かに私は音楽だけは天才よ。でも陛下なんて如何よ!?」
「ど、如何と言われましてもぉ……」
「外を見てみなさい。魔道灯の魔道石を交換してる係の人たちがいるわ」
確かに魔道灯の魔道石を交換してる人が見える。
因みに魔道灯とは、陛下がアイデアを出され魔技高校の生徒らが中心となって技術を完成させた発明品だ。
魔道石も同じ……この国の魔法機械技術のエネルギー供給装置だ。
「遠くに見える列車も、ここからじゃ見えないけど海上を移動する蒸気船も、私たちが通う高等学校のみならず、その前身の義務教育も、全部陛下のアイデアで具現化されたものたちよ!」
「そ、そうね……」
「天才すぎるでしょ!? それでいて世界最強の強さ! そして優しく絶世のイケメン! 欠点があるのなら教えて欲しいわ!?」
「……宰相閣下は『性格が悪い』って言ってたわ」
「あのガキ、ぶっ殺すぞ!」
「気持ちは解るけど、私のスポンサーだから止めて」
この国では国家のナンバー2の悪口を面と向かって言っても、ほぼ罪にならない。
「まぁ兎も角……陛下に比べたら私もアンタも変わりないって事よ」
「比べる相手が
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