第十幕その六
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「本当にね」
「ここにいてくれたね」
「私約束は守るわ」
黄金の羊が言いました、若い女の人の声でした。
「ちゃんとね」
「ここで待っていてくれたんだ」
「そうよ、特に用事もなかったし」
こう木挽きの馬に答えました。
「だからね」
「それでなんだね」
「ええ、待っていてね」
それでというのです。
「楽しく食べて寝てね」
「そうしていたんだ」
「そうしていたわ、旅は満喫したし」
それでというのです。
「もうね」
「満足しているんだね」
「凄くね」
こう木挽きの馬に言いました。
「私は」
「それは何よりだね」
「じゃあ牧場に帰って」
そうしてというのです。
「後はもうそこでゆっくりよ」
「そうするんだね」
「あの、勝手に外出したから」
恵梨香が黄金の羊に言いました。
「牧場の人にはね」
「謝らないと駄目っていうのね」
「そのことはね」
「それはわかっているわよ」
黄金の羊は恵梨香に答えました。
「私もね」
「そうなのね」
「ふと思いついて出てね」
牧場をというのです。
「それでここまで一気に来て」
「それで気付いたのね」
「ええ、悪いことをしたってね」
その様にというのです。
「思ったから」
「それでなのね」
「牧場に戻ったら」
その時はというのです。
「ご主人にちゃんと謝るわ」
「そうしないとね」
「駄目よね」
「ええ、じゃあね」
「今からね」
「牧場に帰りましょう」
恵梨香は黄金の羊に言いました。
「今から」
「それじゃあね」
「帰りはこのまま道を引き返すのかな」
モジャボロは旅路のことをお話しました。
「そうするのかな」
「行きも楽しかったけれど帰りもだね」
弟さんはお兄さんの言葉に応えました。
「旅を楽しむんだね」
「そうするのかな」
「それがいいわね、急がないし」
グリンダはモジャボロの言葉に頷きました。
「それならね」
「それじゃあだね」
「今回はね」
「このままだね」
「道を引き返して」
そうしてというのです。
「帰りましょう」
「ではね」
「いいわね、帰りの道も楽しいものになるのは間違いないから」
ガラスの猫も賛成しました。
「そうしましょう、ただ佐助さんがいた川は」
「あそこは少し離れたところに橋があるのよ」
グリンダがすぐに答えました。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、安心していいわ」
「普通に渡れるのね」
「そうよ」
こう言うのでした。
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