第三章
[8]前話
仕事を頑張り続けた、そして遂にだった。
全ての仕事が終わった、会社特に飯降がいる課は修羅場を乗り越えた。それで飯降や課長といった特に頑張った面々はだった。
真っ先に有休それもかなりの期間のそれを貰ってだった。
ゆっくりと休んだ、飯降は家でじっくりと身体を休めた。ベッドの中で飽きる位に寝て母が作ってくれた身体にいいものを沢山食べて。
身体を癒した、その中でチーを見ながら母に言った。
「絶対にチーがね」
「ええ、生まれ変わってきてくれたわね」
「そうだよね、急に来たけれど」
家にというのだ。
「それはね」
「それは?」
「あんたが大変なのを見て心配してね」
「うちにまた来たのかな」
「多分前から生まれ変わっていて」
それでというのだ。
「あんたが疲れているのを何処かで聞いてね」
「心配してうちにまた来たんだ」
「そうじゃないかしら」
「そうなのかな」
今はクッションの上で丸くなっているチーを見つつ言った。
「この娘は」
「そうじゃないかしら」
母は考える顔で言った。
「お母さんが思うに」
「そうなんだ」
「ええ、それで勿論これからもね」
「チーはずっと家にいるね」
「そうなるわ、前もずっと一緒にいたし」
「今もだね」
「ずっと一緒よ」
チーが今の一生を終えるまでというのだ。
「あんたもそのつもりでしょ」
「生きものは最後まで飼わないとね、それにチーは前も家族だったし」
もう今のチーが生まれ変わりだと確信していた、彼にしても。そのうえで母に対して彼女を見ながら答えた。
「今もだから」
「そうね、じゃあね」
「チー、これからも宜しくな」
「ニャン」
チーは顔を上げて彼の言葉に応えた、彼はその彼女を見て優しい笑顔になった。有休が終わった時会社は普通の状況に戻っていた。そして飯降は頑張った功績が認められて主任に昇進した。だがそこまで頑張れたのはチーがうちに戻ってくれて癒してくれたからだと思った。
もう一度来てくれた 完
2021・1・22
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