119 届いた年賀状
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
石松は三保の松原にて日の出を見ていた。
(新たな年が始まったのか・・・)
だが、戦いは激しくなるばかりである。杖の所有者が御穂神社に初詣に来てくれた事は三穂津姫にとっても嬉しい事であろう。それによって勝利が齎されるとよいのだが・・・。
(親分、某は何とか戦い抜いておられます・・・。『そちら』の方の状況は如何でしょうか・・・)
石松は「向こうの世界」の親分や同志の者達、そしてそこの人間達の事を考える。向こうも戦いは激しくなっているはずなのだ。
(果たして、我々は勝てるのか・・・。そしてこの国を守れるのか・・・)
それは石松にも出せぬ答えであった。
元日の昼、かよ子の家族は届いた年賀状を整理していた。
「これがかよ子宛てのね」
母はかよ子に彼女宛の年賀状を渡した。まる子やたまえ、とし子などの友達は勿論、学級委員の丸尾からも年賀状が来ており、「三学期の学級委員は是非私に一票をお願い致します!」とあった。一体どれだけ彼は学級委員になる事に拘っているんだかと苦笑した。そして、かよ子はある事に期待を寄せる。
(杉山君からの年賀状、あるかな・・・?)
かよ子は探してみた。そして、あった。
(よかった、あって・・・)
かよ子は落ち着いた。年賀状に書くとしてお決まりの文言「新年あけましておめでとうございます。今年もよろしく」は勿論、「困った事があったらいつでも助けてやるよ」とあった。
(杉山君、ありがとう・・・。私の年賀状も届いたかな・・・?)
かよ子は自分が出した年賀状に杉山がどう反応するか気になった。そして年賀状を探る。そしてあの「杯の所有者」である東京の女の子からの年賀状もあった。その年賀状には「今度の休日にまた遊びに行きます」とあった。
(りえちゃんとまた会えるんだ・・・)
だが、ここでかよ子は同じ戦いの仲間として、そして恋敵(?)としてりえとまた会える事を期待するのであった。
一方、杉山の家。杉山は親友である大野から来た年賀状を見た。「運動会の時は悪かったな。でも、また今年も一緒に頑張ろうな」とあった。
(大野・・・)
杉山はそして別の年賀状を見る。ブー太郎からも「今年も子分として宜しくお願い致しますブー」と書いてあった。
(あいつ、ここにも『ブー』って書くのかよ・・・)
杉山は心の中で突っ込みたくなった。そしてあのおっちょこちょいの女子からも来ていた。
(山田・・・)
杉山はかよ子からの年賀状の裏を見る。そこには「去年は色々私の事助けてくれてありがとう。今年も宜しくね」とあった。
(ははは・・・、あいつ、おっちょこちょいだからな・・・。でも、あいつは命懸けた戦いをしてるんだ・・・。俺も何とか助けてやらないと・・・)
その時、不意に姉が現れた。
「あら、さとし。それ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ